TikTok広告で得られる5つの効果|効果を高める広告戦略のポイント解説
TikTokはZ世代(12歳〜28歳前後)の若者に人気のSNSとして知られています。しかし、人気があることはわかっていても、いまひとつTikTok広告の効果に疑問をもっているマーケティング担当者もいるのではないでしょうか。
「若者だけのSNSなので30代以上のユーザーには効果が薄いのではないか?」
「YouTube広告と比較して時間が短いので、十分に訴求できずに効果が期待できないのではないか?」
「ダンス動画など若者が趣味で投稿しているイメージがあるので、企業の広告を配信しても注目されないような気がする」
このように感じている方も多いはずです。
実際は、大企業から中小企業まで、多くの企業がTikTok広告を活用しています。(※)それはTikTokが幅広い世代にとって効果的な広告だからこそなのです。
この記事では、
- TikTok広告で得られる5つの効果と理由
- 効率よく効果を上げるための広告戦略
を紹介します。
「TikTok広告の強みを深く知りたい」
「しっかりと効果を上げて自社の売り上げアップにつなげたい」
という方はぜひ参考にしてみてください。
(※)出典:TikTok for Business
TikTok広告はなぜ効果的?得られる5つの効果とは
大企業から中小企業まで、規模に関係なくTikTok広告が効果を上げられる理由は、次の5つです。
1.どの年代でも楽しめるコンテンツが多い
TikTokが人気の理由は、短い時間で飽きずに暇つぶしとして視聴できるところです。
また、TikTokはダンス動画をはじめ、料理の作り方やフィットネスのレクチャー動画、ペットや赤ちゃんなどの癒し動画といった、さまざまなコンテンツが豊富に配信されています。
TikTokで配信する動画には次のような特徴があります。
- 短い動画に特化している
- ダンスや料理などスキマ時間で楽しく見られる
- 音楽や動画でインパクトのある動画が多い
また、TikTokは国内ユーザー数を大きく増やしているSNSです。日本国内のTikTok利用ユーザー数は、2019年2月時点で950万人以上(※1)ですが、2021年10月時点では1,690万人以上(※2)との調査もでています。
TikTokの利用率は、10代で約60%超(※3)と若者の圧倒的な支持を集めていますが、30代以上の利用者も年々増加中です。総務省のデータによると、30代の利用率は、2020〜2022年の3年間で、16.0%、23.5%、27.3%と着々と数字を伸ばしています。さらに、40代では3年間で11.7%から21.3%と倍増した結果となりました。(※4)
大人の利用率も増加しているように、どの年代でも楽しめる動画が多いところもTikTokの強みといえます。
(※1)参照:ITmediaマーケティング「TikTokはコミュニケーションプラットフォームとして2019年の日本でどう進化するか」
(※2)参照:MarkeZine「2021年に活用を始めないと乗り遅れる」電通天野氏に聞くTikTok活用の今
(※3)参照:総務省|令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
(※4)参照:総務省|「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
2.タイパニーズにマッチしているなど、広告を見てもらいやすい
TikTokには、他のSNSと比較して広告を見てもらいやすい環境が整っているのも特徴です。
- タイパ(タイムパフォーマンス)主義の若者のニーズにマッチ
- スマホ視聴に適した全画面表示
- 広告を気軽にスキップできる
- TikTok独自のレコメンドシステム
それぞれどういうことか解説します。
タイパ(タイムパフォーマンス)主義の若者のニーズにマッチ
TikTokのメインユーザー層である、Z世代(12歳〜28歳前後)の映像コンテンツの楽しみ方は、タイパを重視しています。SHIBUYA109 lab.の調査(※1)によると、タイムパフォーマンスを重視する人は85.0%もいました。
また映像コンテンツの楽しみ方については、ながら見をしている人が81.3%もいるという結果に。
また、別のタイパ調査(※2)では、男性は若い世代ほど実践する人が高い一方、女性では一番タイパ行動をとっているのは30代であるという結果もでています。
このように、短い動画に特化したタイパのよいTikTokは、若者だけでなく他世代にもユーザーの拡大が期待できます。
(※1)参照:SHIBUYA109 lab.「世代の映像コンテンツの楽しみ方に関する意識調査」
(※2)参照:マナミナ|【三菱UFJ信託銀行×ヴァリューズ共同研究調査】タイパ実態調査
スマホ視聴に適した全画面表示
TikTokは、基本的にスマホの全画面表示で視聴するSNSです。
また、フルアテンション(音声ありの全画面表示での視聴)しているユーザーは、ほかのSNSと比較して2.12倍とTikTokは報告しています(※)。さきほど紹介したように、80%以上の若者が映像コンテンツをながら見しています。ながら視聴が多いなか、フルアテンション視聴が多いTikTokは、エンゲージメントが高いといえるでしょう。
そのため、広告であっても見てもらえることが多く、注目されればシェアをされて一気にバズる可能性があります。コンテンツへの没入感も高いため、TikTokの広告は、同じ1リーチでもより⾼いブランド認知や拡散が期待できるでしょう。
(※)出典:TikTok for Business|Media Guide 2023 Q3
広告を気軽にスキップできる
TikTok広告はスキップ可能です。動画広告でもYouTube広告のようなスキップ不可の広告にイライラしないため、ストレスがたまりにくいところも特徴です。
また、広告でも一般投稿と同じような感覚で視聴できるため、広告が苦手・YouTubeの広告がわずらわしいと感じているユーザーにも受け入れられやすいでしょう。
広告がバズれば、ユーザーが自発的に拡散してくれるため、費用対効果も高くなります。
TikTok独自のレコメンドシステム
TikTokでは独自のレコメンドシステムを採用しています。一般的なレコメンドシステムは、ユーザーが好んでいるコンテンツをおすすめする方式です。
一方、TikTokでは、コンテンツに合ったユーザーを探して配信するという、逆の方法を採用しています。まず、AIが動画を配信しユーザーの反応を学習し、反応がよい動画を多くのユーザーに届けます。評価基準は動画の質やユーザーの反応なので、フォロワー数などに左右されません。そのため、大企業の広告やフォロワー数が多いアカウントが有利になるわけではないので、新規参入がしやすいところも特徴です。
ユーザーの反応がよい広告を配信すれば、誰でも多くのリーチを獲得できます。
3.TikTok売れが発生する
TikTokは、インスタ映えのようにTikTok売れという現象が話題になりました。(※1)TikTokで話題になった商品がよく売れたとのことで、今後もTikTok広告をうまく活用すれば、TikTok発の売り上げアップが期待できるでしょう。
また、TikTokの調査(※2)によると、
- 動画を観た後に欲しくなったり購入したことがある…3人に1人
- 動画を⾒た後に他SNSや検索エンジンでさらに調べたことがある…50%
- TikTokで知ったことをほかの人にシェアしている…40.9%
という結果となりました。
このことから、TikTok広告は、まだ自社の商品やサービスを知らない潜在層の掘り起こしにも有効だといえます。
(※1)参照:日経クロストレンド「2021年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」
(※2)参照:TikTok for Business|Media Guide 2023 Q3
4.他SNSを含めた拡散が見込める
TikTok広告は、他のSNSへの拡散が見込めます。拡散力の強いSNSといえばX(=旧Twitter)を思い浮かべますが、TikTokも拡散力の強いSNSのひとつです。
TikTokの拡散力が強い理由は、シェアのしやすさにあります。アプリ内を見るとわかりますが、TikTokはワンタップで動画をシェアできるため、他SNS含め拡散しやすい構造になっています。そのため、トレンド情報やハッシュタグをうまく活用することで、高い拡散力が期待できます。
ただし、拡散にはリスクもあります。良い方向に拡散されれば問題ありませんが、場合によっては炎上リスクもあるので、動画の内容には十分注意しましょう。
5.口コミなどのUGCを獲得できる
口コミやレビューなどのユーザーが作るコンテンツをUGCと呼びますが、TikTokではUGCを獲得しやすいという特徴があります。今の時代、企業が自社サービスを紹介するのではなく、第三者であるユーザーが「この商品使ってよかった」など呼びかける方が効果的です。人間は、第三者の意見や情報に信憑性を感じてしまう特性があり、このような現象を心理学では「ウィンザー効果」と呼びます。
TikTokは動画で口コミやレビューを発信できるため、より効果的なUGCを獲得できます。独自のハッシュタグを使って、ユーザーに情報発信を促進することで高い効果が期待できるでしょう。
TikTok広告で効果を上げる5つの広告戦略
TikTok広告で効果を上げるためには、「TikTok側の仕組みを知る」「ユーザーの立場でおもしろいと思えるコンテンツを作る」ことはもちろん。コンテンツから自社HP・LP(ランディングページ)へ上手に誘導する広告戦略も押さえておくことが大切です。
それぞれについて詳しく解説します。
1. レコメンドシステムを理解する
TikTokのユーザーは、基本的に検索エンジンのように、自分から知りたいことや悩みの解決方法を探していません。「なにか楽しい動画はないか」と思いながら、流れてきた動画を視聴するスタイルです。
TikTokのレコメンドシステムは、楽しい動画を待っているユーザーに、AIがおすすめの動画を届けます。「AIがどのような動画を積極的にユーザーに届けているか」を理解すれば、より多くのユーザーに広告を拡散できる機会があがります。
レコメンドシステムの仕組みはまず、動画が100人程度に配信され、反応がよかった動画を次のユーザーにどんどん配信します。AIは主に次のような指標をもとに動画を評価しています。
- 視聴完了率
- 視聴時間
- エンゲージメント
- シェア数
- 複数回再生数
それぞれどのような指標かを解説します。
視聴完了率
視聴完了率は、動画を最後まで視聴されたかを表す指標です。
スキップされることなく、最後まで見てもらえるような動画作りが重要です。
視聴時間
動画の視聴時間とは、動画の総再生時間のことです。
何度も再生されて視聴時間が長い動画は、人気がある動画として高い評価をうけやすくなります。
エンゲージメント(いいね・コメント)
「いいね」や「コメント」が多くついている動画ほど、話題性があると評価が高くなります。
ユーザーからコメントをもらえるようなキャッチフレーズなどを入れて、反応アップをはかりましょう。
シェア数
ユーザーのシェア数も動画の評価に影響します。
ほかのSNSに拡散できるため、シェア数が多ければ、さらに再生数を伸ばせるバロメーターにもなります。
複数回再生数
TikTokの動画は、最後まで視聴したら最初に戻ってループ再生される仕組みです。
そのため、何度も繰り返し視聴される動画は、「何回も見たくなる魅力的な動画」と評価され、おすすめされやすくなります。くり返し見られるような魅力のある動画を作成すれば、AIにおすすめされる可能性があがり、より多くのユーザーに配信されます。
2. ユーザーの反応を得る動画を作る
TikTok広告は、先に紹介した指標を高めるために、スキップされずにユーザーに興味をもってもらえる動画作りが必須です。さらに、ユーザーにエンゲージメント(いいね、コメント、シェア)してもらえるような動画を制作するには、次のポイントを押さえておきましょう。
- 飽きさせない動画を作る
- 冒頭2秒で勝負できる動画を作る
- BGMの選び方もポイント
- 動画の構成を工夫する
- 共感できる内容を意識する
飽きさせない動画を作る
TikTokでは、音楽、テロップ(字幕)を入れるなどして、視覚だけでなく聴覚にも訴えることが必要です。ユーザーがスキップしないように、飽きさせない動画を作るようにしていきましょう。
ユーザーを飽きさせない工夫の例は次のとおりです。
- テロップはフルで入れる
- ナレーションは少し早口で
- 同じ画像の表示は2秒以内
- 無駄なく伝えたいことだけに集中する
- 効果音を売れる
- テンポのよさを重視する
短い時間で無駄を省き、伝えたいことをテンポよく表現することが重要です。スキップせずに見てもらえたら、飽きずに最後まで見てもらえるような工夫をしていきましょう。
冒頭2秒で勝負できる動画を作る
TikTokのユーザーはぱっと見た瞬間「つまらない」と感じたらスキップしてしまいます。スワイプの指を止めるために、冒頭の2秒が勝負です。ここで「おもしろいな」と思ってもらえることが重要なポイントです。最初にビジュアルや音楽でインパクトを与えて「この後どうなるの?」と感じさせるようにしていきましょう。
ビジュアルではキャッチコピーや少々派手めな色使いなどで印象づけるなど、工夫をしてみてください。また、次にも解説しますが音楽は流行っている曲を使用するのがおすすめです。慣れた曲を聴くと最後まで聞いてもらいやすくなるため、最後まで視聴してもらえる可能性が高まります。
BGMの選び方もポイント
TikTok広告は、音選びも効果に大きく影響します。ユーザーは音楽で動画を選ぶことが多いのもTikTokの特徴です。そのため、前章でも解説したとおり、動画には流行の音源を使うことがポイントです。
また、音源は現在流行っているものだけでなく、これから流行りそうなものを使うこともおすすめします。音源の使用人数をチェックして、流行っているかどうかを確認しましょう。すでにブームが終わりそうな音源は避けたほうがよいでしょう。
動画の構成を工夫する
TikTokは、最初の2秒が非常に重要だと解説しました。とはいえ、ここですべての内容をださないようにしましょう。最初の2秒でスキップされないようにして、続きを見てみたいと興味をもってもらう工夫をします。
次にいったん抑揚をつけてトーンを落として、最後にオチ(広告でアピールしたい内容)をつけていきます。たとえば、オチはドリンクの広告でも、最初はそれとはまったく結びつかない出だしから始まったりするのもひとつの方法です。「これってドリンクの広告だったの?」と意外性をもってもらうことが大切です。
また、ダンスなどを利用する場合は、ユーザーがまねできるようなわかりやすいものにしましょう。ユーザーが一緒にできることで共感を呼び、エンゲージメントを高めやすくなります。
ビジネス系の広告であれば、ユーザーの役に立つ情報を入れることも大切です。YouTubeで人気の役立つ系動画は、TikTokでも流行ってきています。上手に取り入れて、資料請求や問い合わせ数のアップにつなげていきましょう。
共感できる内容を意識する
広告の内容によっては、「それってあるよね!」と自分のことのように思ってもらうことも大切です。
たとえば、ハンドクリームの広告で「手ガサガサしていませんか?」といった内容の魅力的な広告を配信したとしましょう。とくに広告を見るまで気にしていなかったユーザーでも、「そういえば、寒くなってきて自分も乾燥してきたかも…」と興味をもってもらえる可能性が高くなります。
Webの検索エンジンを利用するユーザーのような悩みがなくても、動画を見たときに「そういえばこれ困っていた」と感情移入できるようなコンテンツを意識してみましょう。
3. 適切なターゲティング設定を行う
効果的な運用をするためには、適切なターゲティング設定が重要です。TikTok広告では、デモグラフィックターゲティング(※1)や興味関心ターゲティング以外に、独自のターゲティング設定も利用できます。TikTok広告で利用できるターゲティングの種類は、以下のとおりです。
ユーザーリストには、「カスタムオーディエンス」と「類似オーディエンス」の2種類があり、アプリ内でのユーザー行動やWebサイトへの訪問歴などをもとにターゲティングできます。
ユーザーリストは、TikTokアカウントの運用を行っている場合はかなり効果的なターゲティングです。CVR(=コンバージョン率)やエンゲージメントを高めたい場合などは、積極的に活用しましょう。
また、TikTok広告のターゲティングで特殊なのは、「興味&行動」の「行動ターゲティング」です。行動ターゲティングとは、TikTokアプリ内でのユーザー行動に基づいたもので、以下の3種類に区分されます。
- 動画インタラクション
- クリエイターインタラクション
- ハッシュタグインタラクション
それぞれの特徴を詳しく解説します。
(※1)年齢や性別などの人口統計学的な属性
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動画インタラクション
動画インタラクションは、TikTokアプリ内でのコンテンツ視聴・いいね・コメント・シェアなどの行動を取っているユーザーに配信するターゲティングです。興味関心ターゲティングよりも意欲の高いユーザー(=準顕在層)にアプローチできるため、高いエンゲージメントが期待できます。
動画インタラクションは、TikTok広告が用意したカテゴリーの中から選択して設定します。自社サービスと関連性の高いカテゴリーを選択することで、高い広告効果が期待できるでしょう。
ただし、ターゲティングを絞りすぎると逆に効果が悪くなる可能性があります。動画インタラクションを設定する場合は、少し広めに設定するようにしましょう。
クリエイターインタラクション
クリエイターインタラクションとは、過去30日間に特定のTikTokクリエイターをフォロー・プロフィールの閲覧などを行ったユーザーに配信するターゲティングです。特定アカウントのフォローやプロフィールを閲覧するということは、そのジャンルに興味を示している可能性があります。
たとえば、東京のグルメ情報を発信しているアカウントをフォローしたユーザーは「グルメ」「東京のご飯」などに興味がある可能性が高いということ。そのため、クリエイターインタラクションは、TikTokアプリ内で情報収集をするジャンルが決まっているユーザー(=準顕在層~顕在層)のアプローチに向いています。
動画インタラクションよりも顕在層よりのユーザーにアプローチできるため、CVR(=コンバージョン率)やエンゲージメントがより高まる可能性があります。
ただし「顕在層に近づく=ユーザーの数が少なくなる」ことを忘れてはいけません。ユーザーの数が少なくなると、何度も同じユーザーに広告が配信され、嫌悪感を抱かれる可能性があります。TikTok広告の管理画面上で確認できるオーディエンスサイズなどを見ながら、狭くなりすぎないようにターゲティングを調整しましょう。
ハッシュタグインタラクション
ハッシュタグインタラクションとは、特定のハッシュタグを使ってTikTok動画を視聴したユーザーに配信するターゲティングです。TikTokでは、フィード画面におすすめ動画が表示されますが、欲しい情報をハッシュタグ検索することも可能です。ハッシュタグ検索などの「自発的行動」を取っているユーザーは反応率が高く、興味のあるジャンルの広告を配信することで高い効果が期待できます。
ただし、ハッシュタグはトレンドに左右される機能です。ハッシュタグインタラクションを利用する場合は、こまめにトレンド分析・効果分析を行うようにしましょう。TikTokアプリ内でのハッシュタグトレンドについては「TikTokクリエイティブセンター」を参考にしてみてください。
動画を何種類か入稿する
TikTok広告の効果を高めるためには、動画を1種類ではなく何種類か入稿することをおすすめします。TikTok広告が推奨しているのは3種類なので、まずは3種類を目標にしましょう。
動画を3種類入稿する理由は、ユーザーと動画の組み合わせパターンを増やすためです。
たとえば、動画を1種類しか入稿しない場合、ターゲットユーザーとマッチしなければ効果は出ず終わりです。しかし、3種類の動画を入稿すると、その分マッチするユーザー数が増えるため、効果が出やすくなります。
このとき、重要なのは「動画のテイストを変えること」です。同じテイストの動画を3種類入稿するのではなく、テイストの違う動画を作って入稿しましょう。配色や尺、テロップの雰囲気、訴求内容などを工夫し、異なるテイストの動画を作ることで、組み合わせパターンが広がり効果が期待できます。
また、動画は随時修正、入れ替えを行うことで、ユーザーに飽きられず効果を維持できます。TikTok広告はクリエイティブの摩耗(ユーザーに飽きられること)が早いので、視聴率やクリック率などの数値は毎日確認することをおすすめします。
インフルエンサーを活用する
短期間で一気に効果を高めたい場合は、インフルエンサーの活用がおすすめです。インフルエンサーとは「影響力のある人」を指しますが、今ではフォロワーの多いユーザーをインフルエンサーと呼ぶ機会が多いです。一口にインフルエンサーといっても、ランクがあります。
- フォロワー数1,000~10,000人:マイクロインフルエンサー
- フォロワー数10,000~100,000人:ミドルインフルエンサー
- フォロワー数100,000人以上:インフルエンサー
- フォロワー数1,000,000人以上:トップインフルエンサー
このようなインフルエンサーを活用した「インフルエンサーマーケティング」を取り入れる企業は増えており、SNSマーケティングでは主流の考え方になってきています。
インフルエンサーマーケティングは、TikTok広告でも活用できます。たとえば、
- 動画内にターゲット層に人気のあるインフルエンサーを起用する
- インフルエンサーに自社サービスを紹介してもらう
など、自分の好きなインフルエンサーが商品を紹介しているだけで、ユーザーは「あの商品良さそうだな」「調べてもようかな」と思うものです。TikTok広告の効果を高めたい場合は、インフルエンサーをうまく活用することをおすすめします。
ただし、今の時代、影響力のない「自称インフルエンサー」がたくさんいます。フォロワーの数だけでインフルエンサーを名乗れる時代なので当たり前ですね。インフルエンサーを活用する際は、
- 投稿の内容(どのようなジャンルのインフルエンサーなのか)
- コメント数、いいね数などから計算できるエンゲージメント率
- フォロワーの質(自社サービスとマッチしているか)
などを入念にチェックしたうえで、インフルエンサーの選定を行いましょう。
TikTok広告をより効果的に!実践するべき効果測定方法
TikTok広告は配信して終わりではありません。効果を出すためには、正しい効果測定を行い、改善する必要があります。TikTok広告で重要視したい指標を以下の表にまとめました。
重要指標 | 原因 | 改善方法 |
IMP数(インプレッション数) | ・ターゲットが狭すぎる
・動画クリエイティブの質が低い ・予算が少なすぎる |
・ターゲットを広げる
・動画クリエイティブの数を増やす、もしくは編集する ・予算を増やす |
CTR(=クリック率) | ・ターゲットに対して動画クリエイティブがマッチしていない
・訴求が弱い |
・CTA(※1)を変更する
・ターゲットを見直す(広すぎる場合は少し狭くする) ・動画内に行動を促すコンテンツを挿入する |
動画視聴数 | 動画クリエイティブに魅力がない | 動画冒頭にトレンドや伝えたいことを挿入し、ユーザーの興味をひく |
CVR(=コンバージョン率) | ・LPの質が低い
・動画クリエイティブとLPに整合性がない ・お問い合わせフォームが使いづらい |
・LPのファーストビューを改善する
・動画の内容に合ったLPにする ・お問い合わせフォームの項目を最小限にする |
フリークエンシー(※2) | ・ターゲットに対して予算が見合ってない
・動画クリエイティブの数が少ない |
・ターゲットを広くする
・動画クリエイティブを増やす |
(※1)コールトゥアクションの略称。「詳細はこちら」などの行動喚起ボタン。
(※2)広告が配信される頻度。
インプレッション数やCTR(クリック率)など、重要指標は多いですが、TikTok広告においてもっとも重要なのは「動画クリエイティブの質」です。動画クリエイティブの質が低いと、そもそもインプレッション数が少なくなり、ユーザーの反応も悪くなります。TikTok広告の根源は動画クリエイティブにあるので、効果が悪い場合は動画クリエイティブの見直しから行いましょう。
動画クリエイティブの見直しは「視聴率」を確認します。視聴率の計算方法は以下のとおり。
【視聴率計算方法】
視聴率=インプレッション数÷動画視聴数
25%視聴率=インプレッション数÷25%視聴数
視聴率を調べる際、全体視聴率と段階ごとの視聴率も計算しましょう。たとえば、25%視聴率はいいのに50%視聴率で一気に数値が悪くなっている。その場合は、動画クリエイティブの25~50%の間にユーザーが離脱する原因があると考えられます。このように、段階ごとの視聴率を計算し、動画クリエイティブの質を高めることが重要です。
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まとめ
今回は、TikTok広告が効果的な理由、効果のアップにつながる集客方法や動画作りのポイントについて紹介しました。
TikTok広告が効果的だといえるおもな理由は次の5点です。
- どの年代でも楽しめるコンテンツが多い
- タイパニーズにマッチしているなど、広告を見てもらいやすい
- TikTok売れが発生する
- 他SNSを含めた拡散が見込める
- 口コミなどのUGCを獲得できる
TikTokは、短い動画でどのようなユーザーでも楽しめるコンテンツが多く、気楽に視聴できるのが強みです。一般の投稿のように広告も配信できるので、ユーザーの興味を引く広告を配信すれば、バズる可能性もあり一気に拡散されることも期待できます。
また、TikTokのレコメンド機能は、よいコンテンツほど多くのユーザーにおすすめする方式を採用しています。そのため、魅力的な広告を作成すればフォロワー数など関係なくおすすめされるので、新規ユーザーでも十分に効果があがる可能性があるところも特徴です。
そして、TikTok広告の効果を上げるためには、レコメンドシステムとユーザーの双方に評価される動画を作ることが必須となります。まずはユーザーにしっかり見てもらえる動画を作成し、エンゲージメントを高めていくことが重要です。エンゲージメントが高まれば、AIが動画を評価し、より多くのユーザーにおすすめされるようになります。TikTok広告の導入を検討している方は、本記事を参考により効果があがりやすい広告を作成していきましょう。
もし、自社で魅力的なTikTok広告を作成するのが不安な場合は、プロに相談するのもおすすめです。株式会社J・Gripマーケティングでは、大手企業から中小企業までの数多くの実績をもとにお客様の目標達成に貢献したいと考えております。TikTok広告の効果を高めたいとお考えの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者情報
J-Grip Marketing編集部
Web集客・制作分野におけるブランディング・コンサルティング・マーケティングのプロフェッショナル。効果的でありながらWeb集客の本質に関する情報を、専門的にかつ分かりやすく紹介いたします。
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