【媒体別】導入前に知るべきSNS広告のメリットとデメリット
手軽に効果的な広告キャンペーンが展開できる手段として、SNS広告の配信を検討しているマーケティング担当者が多いのではないでしょうか。
また、すでにSNS広告を配信しているなかで、SNS広告のメリットとデメリットを正しく理解しているか不安を感じている方もいるでしょう。
- SNS広告のメリットとデメリットをしっかり理解したい
- SNS広告を手段として選択すべきか迷っている
SNS広告の導入にあたり、こうした悩みを抱えている企業も多いのも事実です。
この記事は、SNS広告を導入すべきか判断できるよう、SNS広告のメリット・デメリットについて詳しく紹介します。
SNS広告の5つのメリット
まず、SNS広告のおもなメリットを5つ紹介します。
SNSにはさまざまな媒体があり特徴も異なりますが、ここではSNS広告全般のメリットについて解説します。
拡散力が高く潜在的なユーザーに認知ができる
SNSはユーザー数が多いため、自社の製品を知らない潜在層に対しても認知を広げやすいところが大きな特徴です。
そして、バズると一気に話題性が高まり、ユーザーの力を借りて一気に拡散することも期待できます。
Googleなどの検索エンジンの広告は自ら検索ワードを入れて情報収集するユーザーに対して効果が期待できます。
一方、SNSユーザーは「なんとなく楽しい投稿はないかと思い」「知人とコミュニケーションをとるため」に利用していることが多いものです。
そのため、たまたまタイムラインに出てきた広告が目に入り「そうだ、これ欲しかったんだ!」と潜在的に欲しかったものに興味をもってもらえる可能性も狙えます。
SNS媒体独自のターゲティングができる
SNSはユーザー登録を行うときに、性別や居住地などを入力します。
その登録情報をターゲティングの選択項目として利用できるため、具体的に広告を届けたいユーザーを絞れます。
そのため、自社の商品やサービスを届けたいターゲット像を掘り下げ、正確にターゲティングを行えば、より反応をとりやすいユーザーに広告を届けられるでしょう。
利用できるユーザー情報はSNS媒体によってさまざまです。
たとえば、Facebookは実名登録を行い、生年月日や学歴なども入力できます。
もし自社で転職セミナーのイベント開催広告を出す場合なら、ターゲティング項目に有名大学卒を選択してハイクラス転職セミナーの案内を送るなども可能です。
ほかにも、「いいね」や「コメント」などSNS内のユーザーの行動もターゲティングとして利用できます。
自社商品に近いサービスに「いいね」したユーザーをターゲティングすれば、よりコンバージョンしやすいユーザーに広告を配信可能です。
コストパフォーマンスがよい
SNS広告は、自社の予算に合った範囲で広告を配信できます。
中には、高額な予算を投資して大々的に目立つ場所に広告を配信する大企業向けのプランもありますが、基本的には数千円などの少額から自社で広告額を設定して配信できるところも特徴です。
また、広告が広く拡散された場合は、自発的にユーザーが拡散してくれるので、非常にコストパフォーマンスがよくなることもよくあります。
おもしろい、インパクトがあるなどユーザーが思わずシェアしたくなる広告を配信できれば、広告にかけた金額以上の高い効果も期待できます。
幅広い年齢層にアプローチできる
SNSは若い世代がよく使うといったイメージをもっている人が多いでしょう。
実際に、10〜30代のSNS利用率は90%を超えています。
自社商品が若い世代向けであれば、SNS広告を利用して多くのユーザーへの拡散が可能です。
しかし、一般的にSNSは高年齢層へのアプローチは苦手と思われがちですが、60代でも約70%、80歳以上でも約50%の人が利用しているのです。(参考:令和4年度 総務省通信利用動向調査)
利用者の年齢層は、SNSによって異なります。
とくに、LINEやYouTubeは全年齢層で利用率が高いので、Web広告をあまり見ていない比較的年齢が高い層にも広告を届けることが可能です。
ユーザーとコミュニケーションをとりやすい
SNSは「いいね」や「シェア」「コメント」など、ユーザーが直接アクションを起こせる機能が充実しています。
そのため、企業に対しても「お問い合わせフォームを送る」「メールを送る」などより、ユーザーがコミュニケーションをとるハードルが低いところが特徴です。
広告に対してもユーザーが気軽にリプライや引用でコメントしやすいので、双方向のコミュニケーションがとりやすいところがメリットです。
また、広告以外にもアンケートや意見を求める投稿をすれば、気軽に返信してくれるユーザーも多いでしょう。
返信されたユーザーの生の声は、より効果的な広告を作成するための貴重な資料としても活用できます。
SNS広告5つのデメリット
SNS広告には当然デメリットも存在します。
デメリットを把握したうえで、「デメリットをカバーにはどうすればよいか」を考えて対策すれば、SNS広告を成功させるポイントとして効果的に利用できます。
クオリティの高さが成果を左右する
SNS広告は、「読むより見る」タイプの広告です。
一般の投稿のなかに混ざって配信されるタイプもあるので、あまり魅力のないビジュアルの広告はそのまま流されてしまうケースが多いでしょう。
そのため、ユーザーが見た瞬間に「すごい」「これは何?」と注目するようなクリエイティブを作成することが重要です。
クオリティの高い広告を作成しなければ、ユーザーに興味をもってもらえることは難しいでしょう。
クオリティの高いクリエイティブを作成するには、経験やスキル、画像・映像作成の技術が求められます。
社内でクリエイティブを作成するのが厳しい場合は、プロに外注するなどの対策を検討するとよいでしょう。
外注などに予算を割いても、クオリティの高い広告を作成すれば、結果的に費用対効果は高くなることを念頭に広告を作成していく意識が大切です。
炎上するリスクがある
SNSは拡散性の高さが大きなメリットである反面、拡散しやすいために炎上すると企業にとってのダメージも多いところがデメリットです。
一度炎上してしまうとSNSにとどまらずに多方面にも影響するケースも多く、自社ブランドの信用にもかかわってしまう可能性もあります。
インパクトを求めるあまり、過激なキャッチフレーズなど行き過ぎた表現を使ったり、ユーザーを不快にするような広告を配信しないように注意しましょう。
常にアップデートを続ける必要がある
SNS広告の配信後は、定期的に効果測定を行い数値で結果を確認することが大切です。
数値がよくないところは、原因を分析して改善策を策定します。
対策を行ったらまた効果測定を行い効果があったかどうかを確認しましょう。
このように、広告は常にPDCAを回してアップデートを続けることが、成功するための大きなポイントとなります。
ただし、一連の作業は広告を配信する限り続くため、PDCAを回す運用スタッフが必要です。
また、正しく結果を分析し効果的な改善施策を出すために、専門家のアドバイスを受けることを検討したほうがよいケースもあるでしょう。
コンバージョン率を上げにくい
SNS広告は、自社の商品やサービスを知らない潜在層に対してもアプローチできるのがメリットですが、購入の動機が薄い分コンバージョンには至りにくいところはデメリットだといえます。
とくに欲しい・探しているわけではないユーザーに興味をもってもらうには、魅力的なクリエイティブと印象的なキャッチコピーが必要です。
悩みや動機があって検索した結果に表示されるリスティング広告とは違い、SNS広告はコンバージョンに結びつけるためのハードルは高めだと意識しておくことも大切です。
ターゲット設定が難しい
SNSならではの細かいターゲティングが可能なところを、メリットとして紹介しました。
しかし、細かいターゲティングを使いこなすには、ターゲットにしたいユーザーの掘り下げが重要です。
さらに、あまりターゲットを絞りすぎても、広告配信数自体が減ってしまうので、ほどよいボリュームでより効果的なユーザーに配信できるターゲット設定を行う必要があります。
とはいえ、なかなか一回で最適なターゲティングをするのは難しいでしょう。
ターゲット設定の難しさを理解したうえで、最初はターゲティングを絞りすぎずに行いながら、PDCAを回しながら少しずつ調整していく方法をおすすめします。
【6大SNS別】SNS広告のメリット・デメリット
前章まではSNSに共通するメリットとデメリットを紹介しました。
ここからは、国内で利用者が多い6大SNSと呼ばれている次の6媒体について紹介します。
- X(旧Twitter)広告
- Facebook広告
- Instagram広告
- TikTok広告
- YouTube広告
- LINE広告
利用を検討しているSNS広告の特徴を知り、自社サービスに適しているか判断してください。
1.X(旧Twitter)広告
X広告は、タイムライン上に広告配信ができるのが特徴です。
一般の投稿と区別がつきにくいので、さりげなく広告を配信できます。
そのため、広告が苦手なユーザーにも見てもらいやすいところが強みです。
国内ユーザー数は4,500万人以上、メインターゲット層は10〜30代で、若者に人気のSNSです。
メリット
X広告のメリットは、拡散力の高さです。
気に入った投稿があればユーザーが積極的にリツイートを行うので、バズった広告がでれば、非常に費用対効果が高くなります。
ユーザーによるリツイートに広告費はかからないため、コストパフォーマンスが高い広告を配信したいときに向いています。
デメリット
拡散力の高さは諸刃の剣でもあります。もし炎上してしまった場合は、対応策を行う前に企業への影響が広まってしまいます。
また、ユーザー情報のターゲティング精度はSNSのなかでは低めです。
ニックネームなどで行えるのでFacebookなどに比べると信頼性も低くなります。
ビジネスなど信頼性を重視する場合は、この点を気を付けながら利用するか、Facebookなど他のSNSを検討するとよいでしょう。
2.Facebook広告
Facebook広告は、登録は実名で行い生年月日や居住地、出身校など詳細な個人情報を入力する特徴を活かしたターゲティングが可能です。
国内ユーザー数は2,600万人以上、メインターゲット層は30〜40代で、ビジネス用途で利用するユーザーが多いSNSです。
メリット
Facebook広告は、精度の高いユーザー情報を活用したターゲティングを行えます。
個人情報以外にも興味や関心、ライフイベントなどの細かいターゲティングが可能なため、自社のターゲットに合ったユーザーに広告出稿ができます。
また、海外ユーザーが多いため、海外ビジネスを行う場合にも向いています。
比較的低コストで配信できるところも魅力で、月額5〜20万円程度あれば出稿できるため、高額な予算をとりにくい企業にもおすすめです。
デメリット
Facebook広告は、配信対象がFacebookユーザーのみとなります。
他のSNSでは別媒体へのシェアが可能なケースが多いですが、Facebookはあまり拡散力は期待できないといえるでしょう。
国内利用者数も他のSNSと比較すると少なく、用途が合っていたら利用を検討するとよいでしょう。
3.Instagram広告
Instagram広告は、画像や動画を利用したビジュアルによる訴求の高さが特徴です。
国内ユーザー数は3,300万以上、メインターゲット層は10〜50代で、とくに女性に人気のSNSです。
若者中心のイメージがありますが、ミドル層の利用者も多くユーザー層が拡大しています。
メリット
Instagram広告のメリットは、女性人気の高さとビジュアル面のおしゃれさを活かした訴求ができるところです。
コスメやファッション、グルメなど女性向けの商品やブランドをアピールしたいなら、Instagram広告がおすすめです。
また、旅行関係など写真や動画を活かした訴求に向いている商材もおすすめです。
配信面も広告らしさが薄いため、センスのよい広告を配信すれば抵抗感なく見てもらえる可能性が高まります。
デメリット
Instagram広告もFacebookと同様に、他のSNSへの拡散はできません。
拡散力としてはあまり期待できないといえるでしょう。
また、広告らしさがないところはメリットではあるものの、平凡な広告ではそのまま見過ごされてしまう可能性も高くなります。
Instagram広告はビジュアル重視なSNSであるため、クオリティの高い画像や映像の作成が他のSNS以上に重視されます。
4.TikTok広告
TikTok広告は、短い動画でアピールできる広告です。
国内ユーザー数は950万人以上、メインターゲット層は10〜20代で、若者に圧倒的な支持を受けています。
最近では少しずつ上の年齢層の利用も増加しています。
メリット
TikTok広告は、動画の時間が短いため気軽に見てもらえるところが特徴です。
短時間の動画のため、広告であってもスキップしないで見てもらえる可能性が高いところがメリットです。
またユーザーからの反応ももらいやすいので、若年世代向けの商材にアプローチするなら押さえておくべき広告だといえるでしょう。
他のSNSにもシェアできるため、バズればコストをかけずにTikTok以外のSNSユーザーに広告を見てもらえることも期待できます。
デメリット
TikTok広告は、他のSNSに比べて広告費用が高額です。
バズればユーザーの拡散力でコストパフォーマンスは高くなりますが、多くの人に見られる場所に広告を掲載するには1,000万円以上必要な場合もあります。
自分で予算を決めて配信する方法もありますが、よく見られる場所の広告は豊富な予算がある大企業が独占している状況です。
TikTok広告のメリットデメリットは以下でさらに詳しく紹介しているので、導入を検討している場合はこちらもご覧ください。
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5.YouTube広告
YouTube広告は、動画の前後や途中に配信される動画広告です。
動画といえばYouTubeを指すほど人気が高く、国内ユーザー数は6,500万人以上、メインターゲット層は10〜60代と全世代が視聴しています。
メリット
YouTube広告は、ユーザー数の多さと視聴者層の広さが強みです。
広告の種類は豊富ですが、動画がある程度再生されないと課金されないため、コストパフォーマンスが高いところも特徴です。
また、動画内にCTA(自社ホームページなどへのリンク)を設置できるので、動画視聴後にスムーズにユーザーを誘導できます。
デメリット
YouTube広告にはさまざまな種類が用意されていますが、多くの広告は動画の再生後5秒経過するとスキップ可能です。
そのため、魅力的でない広告はスキップされてしまい最後まで見てもらえなくなります。
最後までスキップできない広告もありますが、こちらの場合はユーザーにストレスを与えてしまい、ブランド自体のイメージダウンにつながるリスクもあります。いずれもメリット・デメリットを把握したうえで、適切な種類の広告を選択することが重要です。
6.LINE広告
LINE広告は、LINE内のさまざまな場所に配信できる広告です。
国内ユーザー数は9,200万人以上、メインターゲット層は10〜60代で、6大SNSのなかでも圧倒的なユーザー数を誇ります。
全世代の利用率は94.0%と非常に高く、年代を気にせず広告を配信したいなら、LINEを選択するとよいでしょう。
メリット
LINE広告はメッセージツールだけでなく、LINEニュース、LINEマンガなど各種LINE関連サービスにも配信できます。
そのため、サービス内容に合わせた広告を配信することも可能です。
ユーザー数が多いLINE広告なら、ターゲティングをある程度絞っても一定数以上にリーチに達しやすいところもメリットだといえます。
デメリット
LINE広告はユーザーにシェアされることが少なく、拡散力は期待できないでしょう。
また、広告審査が厳しく、数日の審査期間がかかります。
内容や商材でNGとしているものも多く、審査に出す前にガイドラインをしっかり確認しておきましょう。
審査に落ちて出稿できない、配信までに数日必要であることを念頭に入れて、配信スケジュールをたてることも大切です。
SNS広告を導入するうえで確認すべきこと
SNS広告を導入するときには、社内の体制を整えておくことが重要です。
先述したとおり、広告は配信したら終わりではありません。
その後もトライアンドエラーを重ね、常に広告をアップデートしていく必要があります。
広告を作成するチーム、運用するチームなど、円滑に広告配信ができる体制は事前に整えておきましょう。
もし、社内リソースが足りない、成果を上げるための知識や経験がない場合は、外注して広告運用のプロにお任せする方法もおすすめです。
費用はかかりますが、効率よく成果を上げるノウハウをもっているので、自社で行うよりも短期間で高い成果を上げてくれるでしょう。
SNS広告を自社で行うか他社に依頼するか迷う場合は以下の記事が参考になるので、ぜひ目を通してください。
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まとめ
この記事では、SNS広告のメリットとデメリットについて解説しました。
メリットだけでなくデメリットもしっかり理解して対応することが、SNS広告で効率よく効果を上げるうえで重要です。
SNS広告はクリエイティブが非常に重要なため、当然クリエイティブ作成に多くの費用や時間がかかります。
メリットを最大限に活用し、デメリットは対応策を実施することがSNS広告では必要となります。
SNS広告は短時間で成果はでませんが、毎日コツコツと経験と実績を積み重ねていけば、成功するコツが見えてくるはずです。
もし社内でSNS広告の運用経験がある担当者がいなかったりリソースが足りない場合はプロに依頼することも検討しましょう。
株式会社J・Gripマーケティングでは、SNS広告運用において多数の実績があります。
大手企業から中小企業までの数多くの実績をもとにお客様の目標達成に貢献したいと考えております。
SNS広告選びはもちろん、PDCAを回して素早く成果を上げたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者情報
J-Grip Marketing編集部
Web集客・制作分野におけるブランディング・コンサルティング・マーケティングのプロフェッショナル。効果的でありながらWeb集客の本質に関する情報を、専門的にかつ分かりやすく紹介いたします。
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