YouTube広告の種類を全解明!どの広告が自社に最適かを判断しよう
YouTubeは国内で7,120万人以上(2023年5月時点・Google発表)と非常に多くのユーザーを誇り、動画プラットフォームとしてますます人気を集めています。
YouTubeのユーザー層は若者からシニア層まで幅広いため、YouTube広告の出稿を検討している企業も多いでしょう。
しかし、YouTube広告の配信を開始するにあたり、次のような疑問をもっているマーケティング担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
- YouTube広告ではどのような種類の広告を配信できるの?
- YouTube広告のフォーマット選びは何を基準にすればよいの?
- 自社に合ったYouTube広告はどれだろうか?
YouTube広告は、さまざまな種類のフォーマットが用意されており、目的によって使い分けることがポイントです。
本記事ではYouTube広告の種類と選ぶときのポイントについてわかりやすく解説します。
「自社を多くの人に知ってもらいたい」「商品を購入してほしい」など、自社の目的に合ったYouTube広告の選び方を知りたい方は、ぜひ最後までお読みいただき選択の参考にしてください。
YouTube広告は6種類!それぞれの特徴や費用相場
YouTube広告は6種類に分類できます。
それぞれの広告によって、特徴や向いている使い方が異なります。
同じYouTube広告でも適切な使うべきシーンや費用相場などかなり異なります。
「YouTube広告で何を訴求したいのか」「予算はどれくらいか」を明確にして自社に合った広告を選ぶことが成功の重要ポイントです。
この章では広告別にくわしく紹介します。
スキップ可能なインストリーム広告
スキップ可能なインストリーム広告は、動画の再生開始から5秒後にスキップボタンが表示され、ユーザーがスキップできる広告です。
認知拡大やリーチ拡大などさまざまな目的に使用できるので一番汎用性が高いフォーマットです。
そのため、YouTube広告で頻繁に利用されています。
表示される場所は、YouTube動画とGoogle動画パートナーのWebサイトやアプリです。
動画の前後・再生中に15秒以下で再生します。
スキップ可能なインストリーム広告の課金方法と費用の目安
スキップ可能なインストリーム広告の課金方法は、動画視聴課金(CPV)です。
これは、1視聴ごとに料金が発生する方式です。
動画を30秒再生したときに(30秒未満の動画の場合は最後まで視聴された場合)に広告費用が発生します。
1回につき2〜25円あたりが相場です。
5秒見てスキップした場合は課金対象にはなりません。そのため、興味をもったユーザーが動画を長く見たときのみ課金されるため、見込み客になる可能性が低いユーザーにかかる費用を抑えやすいのがメリットです。
スキップ可能なインストリーム広告の使い方
スキップ可能はインストリーム広告は、関心があるユーザーのみにアプローチできる特徴を活かし、ブランド認知の拡大や見込み顧客の獲得などに向いています。
また、スキップ可能なインストリーム広告では、「動画アクションキャンペーン」を利用できます。
動画アクションキャンペーンでは、「今すぐ購入」「お申し込みはこちら」といったCTAを表示可能です。
そのためコンバージョン数の増加も期待できます。
スキップ不可のインストリーム広告
スキップ不可のインストリーム広告は、スキップできない30 秒以下の動画広告です。
スキップ可能なインストリーム広告と違い、スキップボタンが表示されません。
伝えたいメッセージを確実に訴求できるのがメリットですが、必ず見る必要があるため、ユーザーにストレスがかかりやすい点には注意が必要です。
広告の長さは15秒以内で、ユーザーが不快にならないよう、内容の演出が重要になります。
表示される場所などは、スキップ不可のインストリーム広告と同様です。YouTube動画とGoogle動画パートナーのWebサイトやアプリです。動画の前後・再生中に15秒以下で再生します。
スキップ不可のインストリーム広告の課金方法と費用の目安
スキップ不可のインストリーム広告の課金方法は、インプレッション課金(CPM)です。
スキップ可能なインストリーム広告と異なり、1,000回表示されるたびに料金が発生します。
1回あたりの金額は400〜600円ほどが相場です。
スキップ不可のインストリーム広告の使い方
スキップ可能なインストリームは、15秒かならず見るという点ではテレビCMと似ています。
そのため、テレビCMに近い形での認知拡大が期待できます。
メッセージ全体を最後までユーザーに伝えたいときに利用するのがおすすめです。
インフィード動画広告
インフィード動画広告は、ユーザーの動画検索エリアに表示される広告です。
以前はTrueView ディスカバリー広告という名前でした。サムネイルと広告文のみで表示され、クリックすると動画が再生されます。
インフィード動画広告の表示場所は次のとおりです。
- YouTubeの検索結果
- YouTubeの関連動画の横
- モバイル版YouTubeのトップページ
クリックしたユーザーのみ再生されるため、広告に興味をもった人のみに見てもらえるのが特徴です。
インフィード動画広告の課金方法と費用の目安
インフィード動画広告の課金方法は、クリック課金(CPC)で、広告がクリックされると課金が発生します。
クリックされなければ料金は発生しないので、コストを抑えたいときにも向いています。
1クリックあたり、2〜6円が相場です。
インフィード動画広告の使い方
インフィード動画広告は、ユーザーを自社のチャンネルに誘導したいときに向いています。
また、後述するバンパー広告との相性が良く、一緒に利用すると効果的です。
6秒で終わるバンパー広告で印象づけ、本編再生中にインフィード広告を表示させておくと、視聴後にそのまま広告をクリックしてもらいやすくなります。
例えばバンパー広告で商品やブランド名を伝えて関心をもってもらい、インフィード広告で自社のチャンネルへ誘導しさらに興味をもってもらうといった流れを作れます。
バンパー広告
バンパー広告は、スキップできない6秒間の広告です。
スキップ不可のインストリーム広告に比べて時間が短いため、ユーザーがストレスを感じにくいのが特徴です。
商品に興味があるユーザーではなく、インパクトのある短いメッセージを伝えてより多くのユーザーに見てほしいときに適しています。
YouTube動画とGoogle動画パートナーのWebサイトやアプリに表示されます。
再生場所は、インストリーム広告と同じく動画の前後・動画の途中です。
バンパー広告の課金方法と費用の目安
バンパー広告はインプレッション課金(CPM)で、1,000回表示されるたびに料金が発生します。
400〜600円程度が目安となります。
バンパー広告の使い方
バンパー広告は、6秒間で確実にメッセージを伝えたいときに使用します。
自社のブランドや商品の認知拡大をしたいときに効果を発揮します。
またインフィード広告とあわせて使えば、チャンネルへの誘導も行えるのでおすすめです。
アウトストリーム広告
アウトストリーム広告は、Webサイトやアプリ、SNSなどに設けられた広告枠に表示され、YouTube以外の場所に表示される広告です。
モバイル専用の広告メニューで、PCでは利用できません。
配信場所はGoogle動画パートナーのWebサイトやアプリで、音声なしのバナーとして設置され、クリックすると動画が再生されます。
アウトストリーム広告の課金方法と費用の目安
アウトストリーム広告の課金方式は、インプレッション課金(CPM)です。
1,000回表示ごとに料金が発生しますが、表示回数の数え方に特徴があります
。広告が画面の50%以上表示されて、2秒以上経過したときを1回表示とします。
料金の相場は1インプレションにつき、400~600円です。
アウトストリーム広告の使い方
アウトストリーム広告はYouTube以外に配信できる点がメリットです。
YouTube以外の場所で企業やサービスの認知を広げたいときに適しています。
モバイル専用の広告のため、スマホユーザーに訴求したい、自社商品がアプリの場合などの場合に向いている広告です。
マストヘッド広告
マストヘッド広告は、YouTubeでもっとも目立つトップページの上部に配信される広告です。
広告は最大30秒間音声なしで自動再生されます。
もっとも目立つ場所での配信のため、大規模なユーザーに向けて配信できるのが特徴です。
マストヘッド広告の課金方法と費用の目安
マストヘッド広告を配信するには、専用の代理店からGoogleの担当者に依頼して枠を抑える必要があります。
課金方式はインプレッション課金(CPM)ですが、担当者と相談して決定するため料金は企業によりさまざまです。
目安として1日あたり数100万円以上は必要とされており、大きな広告予算を取れる企業向けの広告だといえます。
マストヘッド広告の使い方
多くのユーザー数に見てもらえるため、新商品やサービスの認知度を高めたい、期間限定イベントの告知をアピールしたいときに向いています。
テレビCMのような感覚で配信できるため、高いクオリティの動画を作成すればさらに効果が期待できるでしょう。
種類別の特徴と課金方法についてまとめた一覧表は以下のとおりです。
どの広告の種類が自社に適しているか判断してみてください。
広告の種類 | 特徴 | 課金方式 | 費用相場 |
スキップ可能なインストリーム広告 | 5秒後にユーザーが広告をスキップできる
動画を規定まで視聴された場合にのみ料金が発生する |
動画視聴課金(CPV) | 2〜25円/1回 |
スキップ不可のインストリーム広告 | ユーザーは広告をスキップできないため、広告を最後まで見てもらえる | インプレッション課金(CPM) | 400〜600円/1,000回 |
インフィード動画広告 | 動画を検索する場所に表示して動画をアピールできる | クリック課金(CPC) | 2〜6円/1クリック |
バンパー広告 | 6秒のスキップできない広告で、短いメッセージでのアプローチにする | インプレッション課金(CPM) | 1,000回再生ごとに400円~ |
アウトストリーム広告 | Google動画パートナーに配信される | インプレッション課金(CPM) | 40〜600円/1,000回 |
マストヘッド広告 | 大規模なユーザーに配信可能
高額なため大企業の利用が多い |
インプレッション課金(CPM) | 1日あたり数百万円~ |
【3つの目的別】YouTube広告の選び方
YouTube広告を配信する目的は大きく3つに分かれます。
- 認知拡大
- 比較検討
- 行動を促す
広告の種類によって得意分野が異なるので、まずは自社の目的を明確にしておきましょう。
目的を選ぶときは「自社で訴求したいユーザーはどの状態にいるか」を意識することが重要です。
ユーザーの状態とYouTube広告の目的の対照表は以下のとおりです。
ユーザーの状態 | YouTube広告の目的 |
商品やサービス自体を知らない | 認知拡大(自社について知ってもらう) |
商品やサービス自体は知っているがどこで購入するかは決めていない | 比較検討(自社をアピールして興味をもってもらう) |
購入・利用したいと決めている | 行動を促す(商品やサービスを選んでもらう) |
それぞれ目的別に向いている広告の種類を紹介します。
ブランド認知を拡大させたい
自社の商品やサービスを知らないユーザーに対して、「まずは知ってほしい」のが目的なら、「認知拡大」に適した広告を利用します。
ブランド認知の拡大に向いている広告は次の4種類です。
- スキップ可能なインストリーム広告
- スキップ不可のインストリーム広告
- バンパー広告
- マストヘッド広告
バンパー広告とスキップ不可のインストリーム広告は、広告をスキップできないので確実にユーザーに視聴してもらえます。
バンパー広告は6秒と非常に短いため、ユーザーにストレスを与えにくいところもポイントです。
スキップ不可のインストリーム広告では15秒間広告を流せるので、伝えたい内容の長さによってバンパー広告と使い分けるとよいでしょう。
ただし、短時間でユーザーの印象に残す必要があるので、ストレスを与えないためにもクオリティの高い動画を作成する必要があります。
スキップ可能なインストリーム広告は、予算の範囲内でできる限り多くのユーザーに配信できるのでおすすめです。
スキップ可能なインストリーム広告は、スキップされた場合は費用が発生しません。
とはいえ、最初の5秒は必ず表示されるので、スキップされたときは5秒間無料で広告を配信できるメリットがあります。
マストヘッド広告はもっとも多くのユーザーに配信できるため、ブランド認知拡大に効果的ですが、高額の広告費が必要です。
予算が限られている場合は、スキップ可能なインストリーム広告を利用しながらブランド認知を拡大していきましょう。
商品やブランドを比較検討してほしい
どこで購入しようか迷っているユーザーに「自社を選んでほしい」のが目的なら、「比較検討」に向いている広告を利用しましょう。
商品やブランドを比較検討してほしいときに向いている広告は次の2種類です。
- スキップ可能なインストリーム広告
- インフィード広告
スキップ可能なインストリーム広告は、スキップされなければスキップ不可のインストリーム広告より長く視聴されやすいため、関心が高いユーザーにより多くの情報を伝えることが可能です。
また、複数の動画を用意できる場合は、設定した順番で動画を表示できる動画広告シーケンスも利用できます。表示・視聴・スキップいずれのアクションに対応したステップを追加できる仕様です。
動画広告をストーリー仕立てで見せられるので、商品やブランドをより効果的に伝えられます。ブランドと商品の動画を組み合わせて両方の認知度を高める方法もおすすめです。複数の動画を作成できる場合は、活用してみるとよいでしょう。
インフィード動画広告は、YouTubeの関連動画エリアや検索結果など、ユーザーが動画を検索している場所に表示されます。
ユーザーがサムネイルをクリックすると再生する広告なので、興味をもったユーザーが視聴します。
見込み顧客となりやすいユーザーにアプローチできるため、商品購入やサービス利用へとつながる可能性が高いでしょう。
商品やサービスを購入してもらいたい
ユーザーにコンバージョンにつながる行動をとってもらうのが、YouTube広告の最終目的です。
コンバージョンは商品の購入・サービスの利用、キャンペーンの参加など企業によってさまざまです。
ユーザーに行動を起こしてもらうには、「動画アクションキャンペーン」の利用がおすすめです。
動画アクションキャンペーンが利用できる広告は次の2種類です。
- スキップ可能なインストリーム広告
- インフィード動画広告
YouTubeとGoogle動画パートナーのどちらにも広告を表示できるため、YouTube内外のユーザーに配信できます。
通常の広告では広告から別サイトへの誘導などは行えませんが、動画アクションキャンペーンを利用すれば、CTAを設置可能です。
「購入はこちら」などユーザーの行動を促すメッセージを設定し、さらに「キャンペーン開催」といった広告の見出しテキストを組み合わせるなど、アクションを起こしやすい見せ方を工夫してみてください。
YouTube動画内に広告を配信したい場合は、スキップ可能なインストリーム広告、YouTube動画を検索しているユーザーに訴求する場合はインフィード動画広告を利用しましょう。
さらに、アクションキャンペーンはGoogle広告のファインドキャンペーンと組み合わせると効果的です。
ファインドキャンペーンは、Googleの各フィードに配信できます。
ファインドキャンペーンで広告配信可能な場所は次のとおりです。
- Gmailのタブ(プロモーション・ソーシャル)
- YouTubeのホーム画面
- Google Discover
YouTubeだけでなく幅広いユーザーにアプローチできるため、コンバージョン数を増やしたい場合は、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、YouTube広告の種類別の特徴と目的別に適した広告の選び方について紹介しました。
YouTube広告は、大きく分けて以下の6種類の広告を選べます。
- スキップ可能なインストリーム広告
- スキップ不可のインストリーム広告
- インフィード動画広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
YouTube広告を利用する目的は大きく分けると次の3種類です。
- 認知拡大(ブランドや商品を知ってもらう)
- 比較検討(他社と比較して自社に興味をもってもらう)
- 行動を促す(購入や申し込みなどをしてもらう)
YouTube広告で成果をあげるには、自社の目的にあった広告を選択することが何よりも重要です。
まず、広告を配信する目的がどれにあてはまるのかを明確にし、それぞれの広告の特徴から適切なフォーマットを選びましょう。
目的別におすすめの広告の種類をまとめると以下のとおりです。
目的 | 向いている広告の種類 |
認知拡大 |
|
比較検討 |
|
行動を促す |
|
目的に合った広告の種類がわかったら、その中で自社の予算に合わせて使用する広告を選択するとよいでしょう。
そして、YouTube広告では、ユーザーの印象に残るクオリティの高い動画広告を作成することが重要です。
今回紹介したように種類によって特徴が異なりますが、どの広告も動画の出来栄えが広告の成果につながります。
株式会社J・Gripマーケティングでは、大手企業から中小企業までの数多くの実績をもとにお客様の目標達成に貢献したいと考えております。
効果の出るYouTube広告運用をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者情報
J-Grip Marketing編集部
Web集客・制作分野におけるブランディング・コンサルティング・マーケティングのプロフェッショナル。効果的でありながらWeb集客の本質に関する情報を、専門的にかつ分かりやすく紹介いたします。
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