LINE広告で効果が出やすい企業3つの特徴|実例や運用ポイントを解説
日本人の94%(※)が利用しているLINEは、日本人の連絡ツールとして欠かせないSNSとなっています。そんなLINEに広告配信を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、LINE広告の運用経験がないと、利用者数が多いだけで本当に効果が出るのか不安ですよね。そこで、この記事では以下のポイントについて詳しく解説していきます。
- LINE広告で効果が出やすい企業の特徴
- LINE広告の活用事例
- LINE広告を配信するメリット・デメリット
- LINE広告の費用対効果を上げる運用方法
当たり前ですが、LINE広告を配信すれば必ず効果が出るわけではありません。効果の出やすい企業には共通する特徴があります。自社サービスとLINE広告の相性を知りたい方は、参考にしてみてください。
(※)参照:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
LINE広告で効果が出やすい企業3つの特徴
LINE広告で効果が出やすい企業には、3つの特徴があります。
LINE広告の配信を検討している場合は、自社が上記3項目に当てはまるかチェックしてみてください。
1. LINE広告以外の広告媒体も配信している
Google広告やMeta広告など、ほかの広告媒体を配信している企業は、LINE広告で効果が出やすい傾向にあります。理由は、広告配信の「面」が広がり、さまざまな角度からユーザーにアプローチできるからです。たとえば、LINE広告を見たユーザーがその場ではCV(=コンバージョン)に至らなくても、後日Googleで検索をして検索連動型に流入する可能性があります。一度サービスを認知して検索するユーザーは購買意欲が高く、CV(=コンバージョン)に至る可能性も高まるでしょう。Web広告は各媒体で特徴があり、複数の広告媒体を組み合わせることで、高い効果が発揮されます。
2. LINE公式アカウントの友だちが多い
そもそも、LINE広告はLINE公式アカウントがないと配信できません。そのうえで、LINE公式アカウントの友だちが多い企業は、効果が出やすくなります。
LINE広告では、Google広告やMeta広告と同じく、性別・年齢などのデモグラフィックターゲティング、興味関心ターゲティングに加えて「友だちの類似配信」が使えます。友だちの類似配信とは、LINE公式アカウントに登録された友だちに似た属性のユーザーに広告を配信するターゲティング手法です。類似配信は友だちの数が多いほど精度が上がるため、LINE公式アカウントの友だちが多い企業は高い広告効果が期待できます。
3. 社内にデザイン・動画制作のノウハウがある
LINE広告を配信するには、バナーや動画クリエイティブが必要です。初心者でもPowerPointやCanvaなどを使って作ることは可能ですが、経験者と比べるとクオリティは一目瞭然。とくに、BtoB商材はクリエイティブの質が低いと、信頼感がなく効果につながりません。
また、広告効果を高めるためには、複数のクリエイティブを入れ替え効果検証する必要があります。しかし、多くの企業は、デザイン外注費用がネックでそこまで実施できていません。そのため、社内でバナーや動画クリエイティブを制作できる企業は、競合他社よりも効果が出やすくなります。
LINE広告で効果が向上!実際の活用事例
LINE広告を配信するとどのような効果があるのでしょうか。実際にLINE広告を配信した企業の事例を見た方が早いでしょう。ここでは、LINE広告で効果が出た事例を3つ紹介します。
CASE1:友だち追加単価約50円!ユーザー満足度も向上
玩具やアパレル事業を展開する株式会社バンダイは、友だち追加広告とLINE公式アカウントの適切な運用により、高い効果を発揮しました。株式会社バンダイの目的と実施した施策は以下のとおりです。
株式会社バンダイは、LINE公式アカウントユーザーの満足度が低いことを知り、友だち追加広告とアンケートを組み合わせて実施。アンケート結果に基づいて、それぞれに適したメッセージを配信することで、ユーザー満足度の向上に成功しました。友だちは約10万人増加し、友だち追加単価は約50円と高い効果を実現しています。
参照:効率よく友だちを増やしユーザー満足度も向上 バンダイのコミュニケーション戦略|株式会社バンダイ
CASE2:3か月で月間の新規獲得件数が6倍!
スキンケアや健康食品を展開するさくらフォレスト株式会社は、自社通販アイテムのプロモーションにLINE広告を活用し、3か月で新規獲得件数を6倍に引き上げました。さくらフォレスト株式会社の目的と実施した施策は以下のとおりです。
さくらフォレスト株式会社がLINE広告で効果が出た理由は、大きく2つあります。
- クリエイティブの工夫
- ターゲティングの効果検証
LINE広告特有のトークリストに表示される小さなクリエイティブ。さくらフォレスト株式会社は、この小さなクリエイティブでいかに強い訴求ができるかを追求しています。視認性を上げる工夫を行いことで、ユーザーの興味をひいたと考えられます。また、30件以上の類似オーディエンスを効果検証し、より効果の良いターゲティングを見つけたことも大きな要因と考えられます。
参照:コンバージョン数が約6倍にV字回復!健康食品ECにおけるLINE広告活用の“勝ち筋”とは|さくらフォレスト株式会社
CASE3:3か月でコンバージョン数が約10倍!
株式会社エイチームウェルネスは、自社展開するエイジングケアブランド「lujo(ルジョー)」のプロモーションにLINE広告を活用し、3か月でコンバージョン数が約10倍になりました。株式会社エイチームウェルネスの目的と実施した施策は以下のとおりです。
株式会社エイチームウェルネスがLINE広告で成功した大きな要因は、効果検証の数と改善までのスピード感にあると考えられます。LINE広告は運用型広告なので、運用しながら改善していく必要があります。株式会社エイチームウェルネスはそのスピードが早く、配信開始してすぐに勝ちパターンを見つけています。クリエイティブの継続・停止に対する判断基準を独自で確立しているのもPDCAサイクルを早める大きな要因であるといえるでしょう。
参照:3か月でCV10倍を達成したエイチームウェルネスのLINE広告改善テクニック|株式会社エイチームウェルネス
効果が出るのはなぜ?LINE広告3つのメリット
テレビCMやYouTube広告など、さまざまな場所で見かけることの多いLINE広告。実際にLINE広告で効果が出たという事例も多いですが、なぜ効果が出るのか疑問を抱く方も多いでしょう。LINE広告で効果が出やすいおもな理由は、以下の3つです。
1. 利用者数が多く、アプローチできる層が広い
LINEの利用者数は9,600万人(※2023年12月末時点)にのぼり、SNS利用者の86%(※1)が利用しています。2024年2月時点の日本人口が1億2339万人(※2)であることを考えると、日本人にとっては欠かせないSNSであることがわかります。
また、利用者数だけでなく、LINEは若年層~高齢層まで幅広く利用されていることも大きな特徴です。総務省によるLINEの年代別利用率を以下の表にまとめました。
年代 | 利用率 |
10代 | 93.6% |
20代 | 98.6% |
30代 | 98.0% |
40代 | 95.0% |
50代 | 93.8% |
60代 | 86.0% |
参照:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書を参考に作成
表のとおり、60代を除く全年代で90%以上の利用率を獲得しています。幅広い年代のユーザーにアプローチできることから、業種問わず広告効果が期待できると考えられます。
(※1)参照:【公式】LINE広告|LINEヤフー for Business
(※2)参照:統計局ホームページ/人口推計(令和5年(2023年)9月確定値、令和6年(2024年)2月概算値)
2. 広告配信面が豊富
LINE広告は配信面が豊富で、ユーザーに対してさまざまなアプローチができます。LINE広告で利用できる配信面と特徴を以下の表にまとめました。
配信面 | 特徴 |
トークリスト | ・LINEのトークリスト最上に表示
・もっともユーザーのアクティブ性が高い |
LINE NEWS | ・LINEアプリ内のニュースページに表示
・430媒体(※2023年1月時点)のアカウントメディアに配信可能 |
LINE VOOM | ・LINE VOOM内に表示
・外部送客・ダイレクトレスポンス・アプリDL促進で活用可能 |
ウォレット | ・ウォレットタブに表示
・月間訪問者数4,700万人超(※2023年8月時点)の幅広いユーザーへのリーチが実現 |
LINEマンガ | ・LINEマンガに表示
・2022年12月に国内アプリ累計ダウンロード数が4,000万を突破 |
LINEポイントクラブ | ・LINEのポイントクラブに表示
・LINE公式アカウント友だち追加や動画視聴などでポイントが貯まる |
LINEチラシ | ・LINEチラシに表示
・スーパーやドラッグストアなどの店舗にて購入を検討している際に閲覧する可能性が高く、購買意欲の高いユーザーにアプローチが可能 |
LINEクーポン | ・LINEクーポンに表示
・ユーザー層は女性が70%で、40~50代が全体の6割を占める |
LINEマイカード | ・LINEマイカードに表示
・登録ユーザー層の男女比は6:4で、10代後半から50代以降まで幅広い年齢層のユーザーが利用 |
LINEショッピング | ・LINEショッピングに表示
・約1,800ショップから、LINEアプリ上で商品を購入可能 |
LINE広告ネットワーク | 11,000(※2023年12月末時点)を超えるさまざまなアプリメディアの幅広いユーザーに配信可能 |
ホーム | ・ホーム画面に表示
・友だちやファミリーサービスなど、LINEのさまざまなコンテンツへの入り口である「ホーム」に表示 |
LINE Monary | ・LINE Monaryに表示
・ユーザー層は女性が60%で、20~40代がボリュームゾーン |
LINEレシート | ・LINEレシートに表示
・メインユーザー層は主婦である30~50代女性 |
LINEオープンチャット | ・年代や趣味など共通点がある人同士でトークや情報交換ができるチャットサービス
・まだ歴史が浅いため利用者は少ない |
LINEファミリーアプリ | LINEのサービス名称で展開するゲーム、ツール、カメラ、アバターコミュニケーションなどのさまざまなアプリメディアに配信可能 |
LINE公式アカウント | ・LINE公式アカウントのメッセージ内に表示
※LINE公式アカウントのオーナーが設定した場合のみ、広告が配信されます。 |
アルバム | ・LINEアプリ内のアルバムに表示
・LINEアプリユーザーの1/3以上が使用(※2023年12月末自邸) |
※参照:LINE広告配信面|LINEヤフー for Businessを参考に作成
配信面は全部で18種類。ターゲットユーザーにあわせて配信面を調整することで、それぞれに適したアプローチが可能です。また、多種多様な広告戦略を立てることができ、高い広告効果も期待できます。
3. 友だち追加を促すことでLTVの向上が見込める
LINE広告で効果が出る理由として、LINE公式アカウントを使った広告戦略が挙げられます。LINE広告では、LINE公式アカウントへの友だち追加を促す広告を配信可能です。LINE公式アカウントは、ユーザーの心理的ハードルが低く、コミュニケーションを取りやすいというメリットがあります。LINE公式アカウント内でユーザーとコミュニケーションを取ることで、商品理解が高まりLTV(=顧客生涯価値)の向上が見込めます。
配信前に知っておきたいLINE広告の注意点・デメリット
LINE広告にはさまざまなメリットがありますが、注意点やデメリットも存在します。配信前に知っておきたい注意点は、以下の2点です。
1.他媒体と比べて広告審査が厳しい
LINE広告は、Google広告やMeta広告などの他媒体に比べて広告審査が厳しいのが特徴です。たとえば、LINE広告で掲載不可の業種・商材は以下のとおりです。
- 宗教関連
- ギャンブル関連等(公営競技・公営くじは除く)
- アダルト関連
- 出会い系、マッチングサイト等
- 連鎖販売取引
- たばこ、電子タバコ
- 武器全般、毒物劇物
- 未承認医薬品・医療機器等
- ネット関連ビジネス(情報商材、自己啓発セミナー等)
- チケット転売業
- その他LINEが不適合と判断した業種・業態、商品・サービス
ほかにも、通販サイトやアルコール飲料を含む商材などは、一部制限がかかる場合があるので注意が必要です。どの広告媒体でも、掲載不可の業種・商材はありますが、LINE広告はとくに基準が厳しいことを頭に入れておきましょう。
2.クローズドSNSなので拡散力が弱い
そもそも、LINEはInstagramやX(旧Twitter)などのオープンSNSとは違い、友だちのみとやり取りをするクローズドSNSです。そのため、友だち以外とコミュニケーションを取ることが少なく、XやTikTokに比べて拡散力は弱めです。もちろん、友だち以外にも広告配信は可能ですが、二次拡散・三次拡散されることはほとんどありません。効率良くブランド認知度の向上を図りたい方は、XやTikTokなどの拡散力の強い媒体と組み合わせて戦略を立てましょう。
拡散力の強い媒体はどれ?各SNS広告の詳しい特徴については、こちらもご参考ください。
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LINE広告は運用次第で効果が変わる!効果的な3つの運用方法
LINE広告は配信面やターゲティングが豊富なため、運用次第で広告効果が大きく変わります。広告戦略は業種や商材によって異なりますが、効果的な運用方法は以下の3つです。
- クリエイティブの視認性を上げる
- LINE広告のターゲティングを活用する
- 動画クリエイティブを配信する
1. クリエイティブの視認性を上げる
LINE広告の効果を高めるには、クリエイティブの視認性を上げましょう。視認性とは、文字や画像の見やすさのこと。クリエイティブの視認性が低いと、内容が伝わらず、広告効果は下がってしまいます。とくに、LINE広告の場合はトークリストに表示されるバナーがとても小さく、視認性が低いと何を伝えたいのかわかりません。バナーや動画などのクリエイティブを制作する際は、視認性を意識して作りましょう。
効果的なバナーの作り方について、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
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2. LINE広告のターゲティングを活用する
LINE広告の効果を高めるためには、適したターゲティング設定が重要です。LINE広告で活用できるターゲティングの種類を以下の表にまとめました。
種別 | ターゲティング | 詳細 |
デモグラフィックオーディエンス | 属性セグメント | 配偶者・子ども・推定収入・職業・誕生日などを設定可能 |
年齢セグメント | 14歳以下から65歳以上までを年代ごとに設定可能 | |
性別セグメント | 男性・女性を設定可能 | |
地域セグメント | 47都道府県に加え、市区町村の設定が可能 | |
ユーザー行動に基づくオーディエンス | 趣味・関心セグメント | ユーザーの趣味や関心を示しているセグメントを設定可能 |
行動セグメント | ゲームプレイ・コンバージョン・ネットワーク利用・キャリア・モバイル端末などを設定可能 | |
購買意向セグメント | ユーザーが深く興味を示しているセグメントを設定可能 | |
カスタムオーディエンス | オーディエンス配信 | 商品購入履歴のあるユーザー・Webサイト訪問履歴のあるユーザーなどに広告を配信 |
類似オーディエンス | 作成したオーディエンス配信リストに類似するユーザーに広告を配信する |
たとえば、ブランド認知度を向上させたい場合は、「属性」や「年齢」などのデモグラフィックオーディエンスのみの設定で問題ありません。このような配信方法を「ブロード配信」と呼びます。
一方、商品購入を促したい場合などは、アクティブユーザーの多い「購買意向セグメント」や「趣味・関心セグメント」などを活用するのがおすすめです。
広告を配信する目的に応じてターゲティング設定を変えることで、高い広告効果が期待できます。
3. 動画クリエイティブを配信する
LINEには「LINE VOOM」というショート動画コンテンツがあります。近年では、TikTokを筆頭にInstagramリールやYouTubeショートなど「ショート動画」の需要が高まっています。とくに、LINE VOOMは30~40代の利用者が多く、会社員や主婦をターゲットにする場合に効果的です。
ただし、動画クリエイティブが必ずしも効果的とは限りません。業種や商材によってはバナー広告のほうが効果的なこともあるので、同時に配信して効果検証することをおすすめします。
動画クリエイティブの効果測定、改善方法は以下を参考にしてみてください。
見るべき指標 | 改善方法 |
視聴率 | ・冒頭3秒以内にインパクトのある内容を入れる
・ターゲットを見直す |
CVR(=コンバージョン率) | ・LP改修を行う
・ターゲットを見直す |
CTR(=クリック率) | ・CTA(※1)を変更する
・ターゲットを見直す(広すぎる場合は少し狭くする) ・動画内に行動を促すコンテンツを挿入する |
(※1)コールトゥアクションの略称。「詳細はこちら」などの行動喚起ボタン。
まとめ
LINE広告で効果が出やすい企業の特徴は、大きく以下の3つです。
とくに、LINE広告で効果を出すためには、定期的なクリエイティブの入れ替えが必須です。社内にデザイン・動画制作のノウハウがある企業は、クリエイティブのPDCAサイクルも早くなるため効果も出やすいでしょう。
LINEは若年層から高齢層まで幅広い世代が利用しており、さまざまなユーザー層にアプローチできるところが最大のメリットといえます。ほかにも、18種類もある広告配信面や、LINE公式アカウントと組み合わせた際のLTV(=顧客生涯価値)の向上など、広告を配信するメリットはさまざまです。
ただし、LINE広告はほかの広告媒体と比べて広告審査が厳しいのが特徴です。広告配信を検討している方は、掲載不可の業種・商材に当てはまらないか確認しておきましょう。
また、LINE広告は運用次第で広告効果が大きく変わります。広告戦略は業種や商材によって異なりますが、効果的な運用方法は以下の3つです。
- クリエイティブの視認性を上げる
- LINE広告のターゲティングを活用する
- 動画クリエイティブを配信する
LINE広告は、アプローチできるユーザー層や配信面が多い分、うまく使いこなすのは至難の業です。運用に不安がある方や、一度自社で運用したけど効果が出なかったという方は、広告代理店などのプロに相談することをおすすめします。
株式会社J・Gripマーケティングでは、大手企業から中小企業までの数多くの実績をもとにお客様の目標達成に貢献したいと考えております。LINE広告の運用をお考えの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者情報
J-Grip Marketing編集部
Web集客・制作分野におけるブランディング・コンサルティング・マーケティングのプロフェッショナル。効果的でありながらWeb集客の本質に関する情報を、専門的にかつ分かりやすく紹介いたします。