YouTube広告の出し方についてとにかくわかりやすく解説|初心者がつまずきやすいポイントも紹介します
YouTubeは月間ユーザーが7,120万人を超えるといわれる、大人気の動画プラットフォームです。
さらに、スマートフォンやパソコンだけでなく、近頃はテレビ画面でもYouTubeを視聴するユーザーも増加しています。
これほど多くのユーザーが視聴しているため、YouTube広告は幅広い属性や年齢層のターゲットに自社の商品やサービスを宣伝できます。
動画広告を考えているマーケティング担当者の中には、YouTube広告を候補に入れている方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、YouTube広告のやり方がよくわからないという人は多いのも事実です。
今回の記事ではYouTubeの出し方を初心者でもわかりやすいように、図解入りでくわしく解説します。
また、効率よくYouTube広告の効果をアップするポイントも紹介していますので、YouTube広告の出稿を検討している企業は参考にしていただき、YouTube広告を始めてみましょう。
YouTube広告を出稿に必要な事前準備
YouTube広告を配信する際には、次の2種類を用意しましょう。
- Google広告のアカウント
- YouTubeアカウント
なお、Google広告とYouTubeアカウントは、同じGoogleアカウントで作成しましょう。
たとえば、abcd@gmail.comというGoogleアカウントに紐づけて、同じメールアドレスで広告と動画のアカウントも作成します。
別のアカウントのYouTube チャンネルとGoogle広告アカウントのリンクも可能ですが、同じアカウント同士のほうがわかりやすいため、同じアカウントで作成することをおすすめします。
YouTube広告の出し方を5ステップで解説
ここからは、YouTube広告を5ステップに分けて図解を交えて解説します。
YouTubeの動画広告を作成し、アップロードする
まず、YouTubeの動画広告を作成します。
初めての広告作成で動画制作の経験がない場合は、Google広告内の制作ツールを利用してみましょう。
動画制作ツールでは、35種類のテンプレートから目的に合ったテンプレートを選び、指定の箇所に画像やテキストを指定していくだけです。
色合いや吹き替え、バックミュージックもテンプレートから選べるので、YouTube広告のイメージをつかむためにも試してみることをおすすめします。
動画が完成したら、YouTubeのチャンネルにアップロードしましょう。
YouTubeStudioを開いて、広告配信したい動画を「動画をアップロード」のボタンをクリックします。
後ほどGoogle広告の設定画面でアップロードしたURLが必要になるので、メモなどに控えておいてください。
動画のクオリティは、広告の効果に大きく影響するため注力して作成しましょう。
自社内での作成が難しい場合は、動画制作を外注するのもおすすめです。
YouTube運用の外注先の選び方や費用相場については、次の記事で詳しく解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。
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Google広告で動画キャンペーンを作成する
次は広告キャンペーンを作成します。
広告キャンペーンの作成は、Google広告のページで行います。
Google広告の公式Webサイトにアクセスし、Googleアカウントでログインしましょう。
ログインが完了するとGoogle広告の管理画面が開くので、左側のメニューの「作成」をクリックし「キャンペーン」を選びます。
次にキャンペーンの目標を選択します。「販売促進」「見込み客の獲得」7種類の目標と「目標を設定」しないから自社の最終目標に合わせて選びましょう。
キャンペーンタイプはYouTube広告なので、「動画」をクリックします。
次にキャンペーンのサブタイプの選択画面がでるので、選びます。
選択した「目標」「キャンペーンタイプ」によって、キャンペーンのサブタイプの項目が変化するので、自社の目的に一番近いものを選択します。
ここからはキャンペーンの内容と広告を作成していきましょう。画面の入力項目に従って情報を入力します。
おもな設定項目は次のとおりです。
- キャンペーン(対象のキャンペーン名を入力する)
- 入札戦略(どのように予算を使うのかを指定する)
- 予算と日程(予算タイプと金額、広告の開始日・終了日)
- 地域(デフォルトで日本が設定されている)
- 言語(デフォルトのすべての言語で問題なし)
キャンペーン名は自由に設定できます。
内容や広告期間がわかる名前にするのがおすすめです。
入札戦略では単価の上限や目標単価を設定します。
「上限広告視聴単価」「目標インプレッション単価」のいずれかを選択できますが、通常は1日に設定した金額まで広告を発信する「上限広告単価」に設定しておくとよいでしょう。
「目標インプレッション単価」は視聴された数で単価が決定される方式です。
予算には、「キャンペーンの合計」「日別」があります。
基本的には広告配信期間中に発生した総費用を表す、キャンペーンの合計での設定をおすすめします。
YouTube広告の課金方式は以下の3種類です。
- クリック課金:広告をクリックされるたびに課金
- インプレッション課金:動画広告が1,000回表示ごとに課金
- 動画視聴課金:広告を30秒以上視聴またはクリックされると課金
YouTube広告で利用可能なフォーマットは6種類あり、課金方式や費用相場が変わります。
広告の種類と対応する課金方式は次のとおりです。
- スキップ可能なインストリーム広告:動画視聴課金
- スキップ不可のインストリーム広告:動画視聴課金
- インフィード動画広告:クリック課金
- バンパー広告:インプレッション課金
- アウトストリーム広告:インプレッション課金
- マストヘッド広告:インプレッション課金
課金方式や広告の種類を目的に応じて予算を決める必要があります。
YouTube広告の予算やフォーマット別の費用相場については次の記事でくわしく解説していますので、予算設定の参考にしてみてください。
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ターゲットを設定する
次に、「広告グループ名」を入れてターゲットを設定します。
ターゲットは、広告を届ける対象を設定する「ユーザー」と、広告を表示する場所を設定する「コンテンツ」を指定できます。
ユーザーで指定するのは、大きく分けて次の2種類です。
- ユーザー属性
- オーディエンスセグメント
ユーザー属性は、性別、年齢などを指定します。
オーディエンスセグメントは、ユーザーの興味や関心を細かく指定可能です。
たとえば、新作コスメのPRをする場合は、「女性・25~34歳、美容に興味がある買い物好き」といった条件にあてはまるユーザーに広告配信を行えます。
たとえばスポーツ・ショッピング・健康など、特定のトピックに興味関心を持っているユーザーに絞って広告を配信したい場合は「オーディエンスターゲティング」の活用がおすすめです。
コンテンツの指定は、次の3種類に分かれています。
- キーワード(指定したキーワードに関連したコンテンツに広告表示する)
- トピック(指定したテーマに関連したコンテンツに広告表示する)
- プレースメント(広告を表示させたい場所を指定する)
人材サービスやBtoB商材のように、ユーザーの属性より特定の場所(転職系サイト、ビジネスパーソンがよく見る動画など)のほうが効果が高い広告は、コンテンツの指定をした方がより高い効果が望めるでしょう。
YouTube広告のターゲティングについてくわしく知りたい方は、次の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
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プロが教えるYouTube広告のターゲティング方法|広告効果を高める3つのコツ
最後に、さきほどアップロードした動画のURLを貼り付けて動画を読み込みましょう。
目的に合わせてフォーマットを選ぶ
広告の各設定が完了したら、動画のフォーマットを選びましょう。
先にアップロードしていた動画のURLを入力すると、上記のように設定画面が変化します。
動画フォーマットは目的に合わせて選択します。Googleでは広告の目的別におすすめの広告を紹介しているので、こちらも参考にしてください。
認知度向上が目的の場合
認知度の向上には次の広告がおすすめです。
- スキップ可能なインストリーム広告
- バンパー広告
- スキップ不可のインストリーム広告
- マストヘッド
スキップ可能はインストリーム広告は、動画再生の前後または途中でユーザーが広告をスキップ可能です。
予算に合わせてできる限り多くのユーザーにアプローチしたいときに向いています。
バンパー広告とスキップ不可のインストリーム広告は、スキップできないため、インパクトのあるクリエイティブを作成し、印象に残る広告を作成しましょう。
マストヘッド広告ならホーム画面の目立つ場所に配置されるため、多くのユーザーに見てもらえるのが強みです。
そのため、掲載額は高額ですが、予算によっては活用を検討してみてもよいでしょう。
比較検討してもらうことが目的の場合
購入を検討しているユーザーに、自社の商品やサービスを候補に入れてもらえるような広告を配信することが大切です。
比較検討では、スキップ可能なインストリーム広告がおすすめです。
スキップ可能でも5秒間はスキップできないので、短時間で視聴者の印象に残る広告配信が大切です。
イントロで視聴者に語りかけるなど、最初のつかみで視聴者の興味をひく広告を作成しましょう。
ユーザーが広告のスキップや興味があれば最後まで視聴できるため、広告を無理に見せられている感覚が薄くなるところもポイントです。
アクションをしてもらうことが目的の場合
広告を見たユーザーが自社サイトへの訪問や商品の購入などアクションを起こしやすくなる広告は次の2種類です。
- 動画アクションキャンペーン
- ファインド広告
動画アクションキャンペーンは、YouTubeや他のプラットフォームでコンバージョンを促進するための効率的かつコストパフォーマンスに優れた方法です。
動画アクションキャンペーンは、サービス・商品のコンバージョン促進や、キャンペーンを拡大したい場合に向いています。
このキャンペーンでは、「スキップ可能なインストリーム広告」や「インフィード動画広告」を利用し、YouTubeとGoogleの動画パートナーを通じて広範囲のユーザーにリーチできます。
広告には最低10秒の動画、行動を促すフレーズ、広告見出し、説明文を含めることができますが、一部の広告フォーマットでは特定の機能が制限されることもあります。
また、CTA(Call to Action)を追加することで、コンバージョンの促進が可能ですが、これらの追加が広告の外観や機能に変更をもたらすこともあります。
ファインド広告は、次の場所をユーザーが閲覧するときに広告を表示可能です。
- YouTube ホームフィード
- 次のおすすめフィード
- Discover フィード
- Gmail の [プロモーション] タブおよび [ソーシャル] タブ
ファインド広告は1つのキャンペーンで、さまざまなGoogleサービスのユーザーに届けられるのがメリットです。
また、Google の AI を活用した広告レイアウトは、ユーザーが目的の商品を見つけやすくします。
さらに、デバイスをまたいでシームレスに配信されるため、手間と労力をかけずにユーザーの関心を喚起して行動を引き出すことが可能です。
ファインド広告は、自社サイトへの誘導や商品の購入などのコンバージョンを大きく伸ばしたい、新規顧客にリーチしたいときに向いています。
審査後、通過すると配信が開始される
すべての設定が完了したら、Google広告の審査が入ります。
審査に通過すると広告の配信が開始されます。
また、次の審査基準は次の3つの要件に準じて行われるため確認するようにしましょう。
YouTube広告の審査対象となるのは、以下のはじめとする広告内のコンテンツすべてとなります。
- 動画
- 広告タイトル
- リンク先
- 説明文
審査期間は通常1営業日以内に完了しますが、時間がかかるケースもあるため、2営業日以上結果が出ない場合は、Googleに問い合わせてみましょう。
Googleの審査に落ちてしまった場合の対処法
はじめての広告配信では、審査に落ちてしまうケースもよくあります。
審査に落ちた場合は、Google広告のキャンペーンから審査落ちした理由を確認可能です。
指摘のあったところを修正し、再入稿すれば再び審査が行われます。
まずは、前章で紹介した3種類の要件に対する違反がないかどうかをチェックしましょう。
禁止されているコンテンツや表現があれば、修正します。
また、コンテンツの内容以外にも忘れがちなチェックポイントは次のとおりです。
- YouTubeでサポートされている動画フォーマットを使用しているか
- 広告用の動画を非公開設定にしていないか
- 動画に不鮮明なところはないか
- フォーマットに準じた動画の長さになっているか
- 誘導先のリンクは正しく設定されているか
動画の内容ばかりに注目して、動画のフォーマットなど決まりを忘れてしまいがちです。
せっかく作成した広告動画が非公開になっている場合も配信できません。
「公開」「限定公開」になっているかどうかを確認しましょう。
また、広告フォーマットには、動画の長さの上限が決まっている場合があります。
選択したフォーマットに長さの制限がないか、確認しておきましょう。
意外とよくあるミスは、誘導先のURLが正しくないケースです。
広告作成中にランディングページのURLが変更になったにもかかわらず、そのまま変更を忘れて入稿してしまった場合などに起こります。
慣れないうちは、これらのポイントも見落としがちになるので、忘れずに確認するようにしておきましょう。
【3つの目的別】効率よくYouTube広告の効果を高めるヒント
効率よくYouTube広告を効果を上げるために、覚えておきたいヒントを紹介します。
次の3つの目的別に見ていきましょう。
- 認知度をアップしたい
- ユーザーに自社の商品を選んでもらいたい
- ユーザーにアクションを起こしてもらいたい
認知度をアップしたい
自社を幅広い層にリーチしたい場合の広告キャンペーン目標は「ブランド 認知度とリーチ」を選択します。
認知度アップにとくにおすすめの広告フォーマットは次のとおりです。
- バンパー広告
- スキップ可能なインストリーム広告
- スキップ不可のインストリーム広告
バンパー広告は、スキップできない6秒以内の広告です。
そのため、伝えたいメッセージが短めで、幅広く認知を拡大したいときに向いています。
スキップ可能なインストリーム広告は、5秒間視聴後にスキップできる広告です。
そのため、伝えたいメッセージが長めの場合に向いています。動画の長さは30秒以内にするのがおすすめです。
スキップ不可のインストリーム広告は、ユーザーがスキップできない広告です。
そのため、ユーザーに広告全体を見てほしいときに利用します。広告の長さは15秒以内です。
これらの広告を別々のキャンペーンで利用すると、効果が高まりユーザーの関心をひくのに役立ちます。
YouTube広告では、目標インプレッション単価を指定することで、1,000回のインプレッションにかかる費用を設定することができます。
また、キャンペーン設定画面の右パネルにあるお見積計算ツールに、目標インプレッション単価を指定すると、リーチが見込まれるトラフィック量(ユーザー数)が表示されるので参考にしてみてください。
このリーチの見込みを参考にすることで、広告の予算やターゲティングを検討可能です。たとえば、認知度を上げるためにリーチを拡大したい場合は、目標インプレッション単価を低めに設定することで、より多くのユーザーに広告を配信できます。
ユーザーに自社の商品を選んでもらいたい
他社と比較検討したうえで自社の商品を選んでもらいたいときは、キャンペーン目標を「商品やブランドの比較検討」に設定しましょう。
Googleでは、比較検討にはスキップ可能な 20 秒以上のインストリーム広告を推奨しています。
Googleの調査によると、広告の長さは20秒以上あった方が比較検討の促進に効果的であるという結果がでています。
クリエイティブが複数ある場合は、複数の広告フォーマットを使うのも効果的です。
購入に至るまであらゆる段階において複数のクリエイティブで訴求すれば、見込み顧客にリーチしやすくなります。
また、ターゲットは購買意向の強いオーディエンスやライフイベントを使い、できるだけ多くの関連性の高いユーザーに届くようにすることもポイントです。
課金方式は上限広告視聴単価を選択すると、広告を全部視聴した・一定時間以上視聴した場合のみに課金されるので、無駄な費用を抑えられます。
ユーザーにアクションを起こしてもらいたい
購入、ダウンロード数などのユーザーアクションを伸ばしたい場合は、動画を観たユーザーがすぐに行動を起こせるような工夫が必要です。
広告キャンペーン目標は次のいずれかを選択しましょう。
- 販売促進
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
動画アクションキャンペーンでは、インパクトのある行動を促すフレーズを追加すると効果的です。
また、ターゲティングは、慣れてきたらオーディエンスをカスタムするとより多くの関連性の高いユーザーにリーチできるようになります。
クリエイティブは、複数作成して、行動を促すテキストや広告の見出しを変えて、5種類以上のパターンを試してみるのがおすすめです。
まとめ
この記事では、YouTube広告の出し方を初心者でもわかりやすいように、5つのステップに分けて解説しました。
YouTube広告の目的は、大きく分けて3つに分かれます。
- 認知度をアップしたい
- ユーザーに自社の商品を選んでもらいたい
- ユーザーにアクションを起こしてもらいたい
それぞれの目的に合わせた広告フォーマットを選び、適切なターゲットと予算を設定することが大切です。
目的別におすすめのキャンペーン設定と広告フォーマットは次のとおりです。
目的 | キャンペーン目標 | フォーマット |
認知度向上 | ・ブランド 認知度とリーチ | ・バンパー広告 ・スキップ可能なインストリーム広告 ・スキップ不可のインストリーム広告 |
比較検討 | ・商品やブランドの比較検討 | ・スキップ可能なインストリーム広告 |
アクション促進 | ・販売促進 ・見込み顧客の獲得 ・ウェブサイトのトラフィック |
・動画アクションキャンペーン ・ファインド広告 |
目的にあった目標とフォーマットを組み合わせて、自社に商品やサービスに合ったターゲットを設定すれば、効果のあるYouTube広告を配信が可能です。
また、審査に通過しなければ広告は配信できません。内容だけでなく動画の長さや形式なども規定外では審査に落ちてしまうので、審査に出す前に十分にチェックしておきましょう。
株式会社J・Gripマーケティングでは、大手企業から中小企業までの数多くの実績をもとにお客様の目標達成に貢献したいと考えております。
YouTube広告で効率よく効果をあげたい、広告出稿をプロに相談したいとお考えの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者情報
J-Grip Marketing編集部
Web集客・制作分野におけるブランディング・コンサルティング・マーケティングのプロフェッショナル。効果的でありながらWeb集客の本質に関する情報を、専門的にかつ分かりやすく紹介いたします。
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