BtoBコンテンツマーケティングでやるべきことと成果を出すためのポイント
コンテンツマーケティングは、今では多くの企業で取り組まれていますが、これから始めるという企業も少なくないでしょう。
- コンテンツマーケティングという言葉はよく聞くけれど内容についてよくわかっていない
- 企業に対する営業活動にコンテンツマーケティングを活用したいけれど方法がわからない
- コンテンツマーケティングで成果を出すためにはどうすればいい?
こうした悩みを持っている担当者も多いのではないでしょうか。
コンテンツマーケティングの施策は多岐にわたるので、成果を出すためには自社に必要な施策を選択し、そのための体制づくりが重要です。
この記事では、コンテンツマーケティングをBtoBで活かすために知っておきたい知識をわかりやすく紹介します。
さらにBtoBのコンテンツマーケティングでよく使われる具体的な施策についても6種類紹介しています。
何から始めたらよいかわからない方、コンテンツマーケティングで成果を出すための重要なポイントについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングがBtoBで注目される理由
従来は企業が営業活動を行う場合、直接カタログやパンフレットを手渡して説明をするのが、顧客を獲得する主な手段でした。
しかし、現在は実際に対面することなく、オンライン上で取り引きが完了できます。
さらに、今まで担当者から入手する資料のみだった情報を、顧客自身がインターネットで製品情報など必要な情報を検索して収集することが可能となりました。
このような、見込客が自ら必要な情報を取得できるようになったことにより、コンテンツマーケティングが注目されるようになったのです。
コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって価値があるコンテンツ(例えば、役に立つ記事やダウンロードできるホワイトペーパーなど)を作成して提供することで、購入や問い合わせなどのコンバージョンを高めるマーケティング手法です。
インターネットありきの状況のなかで新規顧客を開拓するために、Webを活用したコンテンツマーケティングがBtoBでも求められるようになったのです。
コンテンツマーケティングをBtoBに取り入れるメリット
BtoB向けのサービスや商品は、一般消費者向け商材であるBtoC商品に比べて高額です。
また、導入にあたり社内での稟議も必要になります。
そのため、見込客である企業も導入や購入するまでに一定以上の比較検討期間が必要となります。
だからこそコンテンツマーケティングをBtoB向けに取り入れるメリットは大きいです。
コンテンツマーケティングを行うことで、コンテンツの提供を介して自社商品のPRや見込客とのコミュニケーションを継続的に行うことが可能です。
コンテンツマーケティングなら、見込客が検討している間も商品に対する情報を継続して発信できるのです。
そして、コンテンツマーケティングでは、質の高いコンテンツが必要不可欠です。
役に立つ良質なコンテンツを作成して提供することで「有益な情報を発信している企業である」と認識され、自社に対する信頼性やブランディングも向上します。
また作成したコンテンツは、半永久的に自社の資産として手元に残ります。
出稿するたびにコストがかかる広告とは違い、コンテンツはWebサイトを公開し続ける限り、顧客を獲得するための集客ツールとしても活用可能といったメリットもあります。
BtoBコンテンツマーケティングで効果的な6つの施策
コンテンツマーケティングといえばブログ記事などのコンテンツSEOが有名ですが、実際にはさまざまな手法があります。
自社が取り組めそうな内容を選び、適した施策を行いましょう。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、ブログ記事や製品情報を解説した動画など情報収集をしている企業にとって役立つ情報を発信することで、検索エンジンでの検索結果からの集客数を増やす対策のことです。
Googleが良質なコンテンツを発信するWebサイトと認識した場合、検索結果に企業のページを上位表示をさせユーザーに届けられるようにします。
そのため、ユーザーにとって有益な情報であることは非常に重要です。
例えば、自社で販売管理システムを開発・販売している企業であれば「販売管理システム 評判」「販売管理ソフトおすすめ」などのキーワードでユーザーは検索して情報を収集するでしょう。
この検索結果の上位に自社サイトで作成したコンテンツが掲載されれば、より多くのユーザーに訪問してもらえる可能性が高まります。
検索結果から訪問したユーザーが価値のある情報であると認識した場合は、商品の購入やサービスの導入を検討する可能性が高まるため、多くの企業がコンテンツSEOに取り組んでいるのです。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、自社の商品やサービスに関する役立つ情報をまとめた資料のことです。
BtoBにおいてホワイトペーパーは、新規顧客の獲得や商品サービス内容の認知拡大に有効な手段です。
ホワイトペーパーの内容は、自社の商品やサービスがユーザーの悩みや疑問の解決に着目し、その答えやヒントとなるものを作成します。
例えば、企業が提供しているノウハウや成功事例集・業界のデータなどを記載します。
配布方法は、Webサイトでは「資料請求」「お役立ち情報」などで無料ダウンロードしてもらうという手法がよく使われています。
ホワイトペーパーの作成は大変ですが、資料請求やダウンロードしたユーザーに対してメルマガを送付することで、見込顧客を育成し、購入につなげることも可能です。
メールマーケティング
メールマーケティングは、メルマガなどを配信して自社の商品やサービスを紹介したり、コミュニケーションに使用したりする手法です。
おもなメールマーケティングの種類は次の通りです。
- メルマガ
- ステップメール
- 休眠発掘メール
- セグメントメール
それぞれについて簡単に解説しますので、取り入れられそうな施策があれば検討してみましょう。
メルマガ
メルマガは例えば資料請求をした見込客など、事前に配信許可をもらった顧客に対して一斉にメール配信を行う手法です。
同じ内容のメールを配信するため、どのユーザーが見ても有益と感じられるような内容を厳選して記載することが大切です。
メルマガはイベントやキャンペーン、新商品の発売告知などに向いています。
ステップメール
ステップメールは、あらかじめ複数のメルマガを用意しておき、ユーザーのアクションや検討度合いによって、適切な内容のメールをスケジュールに合わせて配信します。
商品やサービスを検討しているユーザーに段階的に情報を提供し、最終的に申し込んでもらえるように段階的に関心を高めていきます。
例えば、最初は自社商品に対する役立ち情報を複数配信し、徐々に興味を持った企業に対して実際にその商品を取り入れた顧客の声や成功事例を配信します。
そうすることで、見込客の関心が徐々に高まっていき、最終的には問い合わせにつながることも期待できます。
休眠発掘メール
休眠発掘メールは、過去に自社商品の購入やサービスを利用していた顧客のうち、ある程度の期間動きがなく休眠している顧客に対し、再びアクションを起こしてもらえるような内容のメールを届けます。
これまで反応がなかった顧客に対してアプローチするため、お得なキャンペーンや通常とは違った内容やタイトルで興味を引くことがポイントです。
セグメントメール
顧客を地域や事業といった条件ごとにセグメント分けをして、セグメントにあった情報のメールを配信します。
別名「ターゲティングメール」とも呼ばれています。
配信するユーザーを条件で絞っておりセグメントに応じたメールを配信できるため、他の種類のメールよりも開封率が高めであることも特徴です。
いずれのメールマーケティングにおいても、見込顧客にとって「役に立つ」と思ってもらうことが重要です。
事例マーケティング
事例マーケティングとは、自社のサービスや商品の導入事例をコンテンツとして活用する方法です。
「この商品を使用したらどのような効果があるのか」「サービスを使用した成功事例」など具体例を示してユーザー自身が利用した姿をイメージしやすくし、信頼性を高めていきます。
実際に自社商品やサービスを導入した企業の担当者にインタビューを行って、Webサイトに掲載したり、ホワイトペーパーでまとめてダウンロードできるようにしたりします。
第三者が成功体験を紹介することでより信憑性が増し、ユーザーの疑問や不安を取り除いて成功するイメージを持ちやすくすることが可能です。
レビューマーケティング
レビューマーケティングとは、自社商品やサービスを実際に使用した人の意見や感想を集めてコンテンツとしたものです。
利用者のリアルな声は、SNSや掲示板などの投稿でも活発に行われ、口コミを参考にして商品の購入を検討するユーザーが増加しています。
自分で商品やサービスを宣伝するより、第三者であるユーザーが使用した感想を紹介した方がリアリティがあり、信頼性が高まります。
SNSでは口コミがバズる可能性が高く、コストをかけずに広告以上の宣伝効果がでる場合も期待できるでしょう。
また、SNS以外の口コミサイトやブログなども利用すれば、Webサイトのターゲット以外の層にも宣伝でき、新しい顧客層への認知拡大も期待できるでしょう。
ウェビナーマーケティング
ウェビナーマーケティングとは、ウェビナーを活用して参加者に自社商品やサービスの情報を提供して、購入や導入を検討してもらうことです。
ウェビナーとはウェブセミナーのことで、インターネット上で開催するセミナーを意味します。
ウェビナーは直接相手と話すことで双方向のコミュニケーションをとれるのがメリットです。
また、展示会やイベントのように参加者が現地に赴く必要がないため、遠方に住んでいる人でも参加でき、顧客層の拡大が期待できます。
さらに、録画機能が搭載されていることが多く、当日参加できなかった場合も後日録画を見直すことが可能です。
時間や場所の制約がある顧客に対してもアプローチが可能なところもウェビナーの強みだといえるでしょう。
BtoBにおけるコンテンツマーケティングで成果を出すための6つのステップ
BtoBにおけるコンテンツマーケティングはただ闇雲にコンテンツを作っても成果を出すことは難しいです。
成果を出すために必要な手順を6つのステップで紹介します。
これらのステップで進めていくことで成果が出る可能性は大きく高まるでしょう。
コンテンツマーケティングを行う目的を整理する
まず、コンテンツマーケティングをなぜ実施するのか、という目的を整理することは非常に重要です。
「効果がありそう」と、コンテンツマーケティングを実施することが目的になりがちですが、実施により解決すべき自社の課題をしっかりと洗い出すのが大切です。
この時点で曖昧な目的を立ててしまうと、コンテンツマーケティングの成果自体にも影響してしまうのでしっかり行うようにしましょう。
コンテンツマーケティングを成功させるには、設定した目的から逆算してコンテンツを制作することがポイントです。
例えば、Webサイトから問い合わせを獲得するのか、企業のブランディングをしたいのか、コンテンツマーケティングに期待するゴールをはっきりと決定しておけば、「成果を出すためには何が必要か」を的確に見出すことが可能になります。
そして、設定した目標はKPI(例えば、問い合わせ数やアクセス数など)として具体的な数値に落とし込むことも大切です。
ペルソナを設定する
次に「どのような相手・企業に自社商品を買ってほしいか」を明確にするためにペルソナを設定します。
ペルソナは顧客と想定する企業像を具体化させたものです。
ペルソナでは以下の情報を細かく設定します。
- 見込顧客の業種や会社規模
- 情報収集している担当者の役職
- どのような課題を持っているか
- 必要なものはなにか
など
ペルソナはできる限り具体的に設定すると、よりイメージに落としやすくなり、必要なコンテンツが明確になります。
新規でペルソナを設定する場合は、理想的なユーザー像に近い人からアンケートを取るなど、事前に調査することもおすすめです。
収集したデータをもとに設定していけば、よりリアリティのあるものが作りやすくなります。
すでに施策として行っているペルソナをリニューアルする場合は、既存顧客の情報をもとに現在のペルソナとの差異を埋めるように設定していくとよいでしょう。
カスタマージャーニーを設定する
ペルソナが設定できたら、カスタマージャーニーを設定します。
カスタマージャーニーとは、見込み客が自社の商品やサービスを購入するまでの考えや行動を、時系列で整理したものです。最初に設定したコンテンツマーケティングの目的の達成をゴールとして、そこに到達するまでのフェーズに分け、それぞれにゴールを設定します。
例えば商品の購入をゴールとした場合のフェーズは次の通りです。
- 認知・興味
- 情報収集
- 比較検討
- 購入
また、カスタマージャーニーを設定する際は、次のポイントを考えながら設定しましょう。
- それぞれのフェーズでユーザーの知りたい情報は何か
- 比較検討するためには何が必要か
- 次のフェーズに移行するためのトリガーは何か
カスタマージャーニーの段階では、具体的なコンテンツ内容まで設定する必要はありません。
各フェーズごとにゴールと考えるべき内容を設定しておくことで、軸がぶれることなくコンテンツ制作に取りかかれるようになります。
ターゲットに合ったコンテンツを制作する
設定したペルソナやカスタマージャーニーをもとに、コンテンツを制作します。
コンテンツの内容や種類は、目的や顧客との接点の違いによって適したものを選択しましょう。
顧客との接点はタッチポイントとも呼ばれます。オンライン上における主なタッチポイントは次の通りです。
- コンテンツSEO
- SNS
- オウンドメディア
- メールマガジン
- ホワイトペーパー
- ウェブ広告
例えばコンテンツSEOをタッチポイントとした場合、検索エンジンからの流入を意識したコンテンツ作りを行います。
その中で資料のダウンロード数の増加を目的としているなら、特に自社サイトで紹介している商品に関するワード(例えば、会計管理ソフトなど)の中で、コンバージョンに結びつきやすいキーワードを使ったコンテンツを作成するなどを行います。
ペルソナとカスタマージャーニーをしっかり作成しておくことで、どのようなコンテンツを作ればよいかが浮き彫りにされるはずです。そして、タッチポイントの特性にあった良質なコンテンツを作成していくことが重要です。
継続的にコンテンツを生成し改善できる体制を作る
コンテンツの作成が終わっても、これがゴールではありません。
どれほど良質なコンテンツでも一度作ったら終わりではなく、顧客の行動や周囲の状況の変化によって常にアップデートをしていく必要があります。
またさらにコンテンツの内容を充実させ新しいコンテンツも作成し続けることも重要です。
多くの企業がコンテンツマーケティングを始めたものの途中で頓挫したり、成果が出ていないという現状にあります。
継続的なコンテンツの生成やアップデートを行うには、それにともなう社内体制を構築する必要があります。
コンテンツの制作体制を作っていく方法は次のようにするとよいでしょう。
- 社内のスタッフで分担して作成する
- 外部に依頼する
- 社内に専門の編集部を設置する
どの制作体制を選択するかは、自社の予算やリソースを見て検討することをおすすめします。
コンテンツが中小規模の場合、社員が分担して記事のライティングや画像の作成を行う方法が取り組みやすいでしょう。
大規模なオウンドメディアを持っており、ある程度の予算をかけられる場合は、編集プロダクションなどプロの企業に依頼するのも一つの方法です。
外部への依頼は、コンテンツのクオリティがある程度担保できることや、社内リソースを使う必要がない、自社に必要な施策がわかるなど、さまざまなメリットがあります。
予算に余裕がある場合は、現実的な方法であるといえるでしょう。
また、社内リソースに余裕がある場合は、コンテンツ制作専門の編集部を設置するのもおすすめです。
所属している社員のスキルに不安がある場合は、コンテンツ作成やメディア運営の経験者を新規で募集したり、部分的に外注する方法もあります。
いずれも、無理な制作体制でコンテンツ作成を始めてしまうと、逆効果になってしまうので無理なく続けられる方法を選択するようにしましょう。
6.PDCAを回し続ける
よいコンテンツを作成しても、目標に向かった成果がでなければ意味がありません。
常にアクセス数やコンバージョン数などの効果を測定しながら、PDCAを回していきましょう。
PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のことで、4つのステップをくり返しながらコンテンツを改善していく仕組みです。
効果測定の数値を検証・分析を行い、目標に届いていないコンテンツがあれば改善策を策定します。
また、効果が上がっているコンテンツでもそのままにしていてはいずれ効果が下がる可能性が高いでしょう。
タッチポイントによって施策の策定方法は違いますが、「良質なコンテンツとは顧客のためになるものである」ことはすべてに共通しています。
よいコンテンツでも情報が古くなれば、顧客に与える有用性は下がります。
そのため、新しいコンテンツを公開し続けるだけでなく、情報の鮮度も意識しながらコンテンツの更新も行っていくことが大切です。
まとめ
今回はBtoBのおけるコンテンツマーケティングで成功するために、押さえておきたいポイントについて解説しました。
コンテンツマーケティングを始めるためには
- コンテンツマーケティング目的と目標を社内でしっかり話し合い決定する
- その目的を達成するためのターゲットやタッチポイントを設定する
- その上で必要なコンテンツを継続的に作成する
- 効果検証を行う
このプロセスが重要です。
社内でコンテンツ制作を進めていくのが難しい場合、外部の協力を得ることも必要です。
誤った方法で闇雲に進めていっても時間とコストを浪費し、成果は得られません。
この記事で紹介した内容をきちんと進めていくことがコンテンツマーケティングにおいて、効果的に目標を達成する近道になるといえるでしょう。
株式会社J・Gripマーケティングでは、大手企業から中小企業までの数多くの実績をもとにお客様の目標達成に貢献したいと考えております。
成果の出るコンテンツマーケティングを導入したい企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者情報
J-Grip Marketing編集部
Web集客・制作分野におけるブランディング・コンサルティング・マーケティングのプロフェッショナル。効果的でありながらWeb集客の本質に関する情報を、専門的にかつ分かりやすく紹介いたします。
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