リスティングで効果が出ない=キーワードが悪いとは限らないという話
(広告主)「リスティングを始めてみましたがCPA(獲得単価)が想定より高いですね……。原因は何でしょう?」
(代理店)「この『花粉症対策』というキーワードで●●円使っており、そこでの獲得が1件も出ませんでした。このキーワードが原因です。なのでこのキーワードを停止しましょう。それによりCPAはカイゼンされます!」
一見正しく聞こえるこの会話ですが、大きな落とし穴があります。
さて、本当に『花粉症対策』というキーワードが原因なのでしょうか。
それを停止することで“カイゼン”されるのでしょうか。
効果が出ない原因を明確にしよう
リスティング広告を運用するにあたって、キーワードの選定は最も重要な要素のひとつ。
いろいろな運用担当者や広告主の方と話してみると、リスティング広告で成果が出ないときに、真っ先にキーワードを変えることも多いようです。
しかし、実は意外に多いのが「キーワード選定そのものではなく、それ以外の要素が原因で広告の効果が出ていなかった」というケース。
まずは様々な切り口・観点でリスティング広告が失敗した原因を明確にすることが大切なのです。
「キーワード選定」以外のよくある失敗原因とは?
(1)広告出稿するデバイスの選定
販売したい商品・サービスによって、リスティング広告が有効なデバイスは異なります。
実はパソコンで閲覧する顧客が多い商品なのに、リスティング広告がスマートフォンで多く配信されてしまっている場合、せっかくキーワードが有効でもクリック率や売上の向上にはつながりません。
(2)配信エリアの選定
特定の地域のユーザーがターゲットである商材の場合、配信先のエリアがその地域とずれていると当たり前ですが効果は出ません。
無駄なエリアで広告が配信されていないか、チェックする必要があります。
(3)広告内容
せっかくキーワードが適切に設定されていても、表示される広告文の内容がターゲットの心に響くものでなくクリック率が低かったり(→それによりクリック単価が高騰している)、逆にクリックしたくなる内容だけど興味本位で購買意欲の低いユーザーからのクリックを誘発しすぎてしまうことで効果が下がっているケースもあり得ます。
(3)リンク先ページ/ランディングページ
クリックした先に表示されるリンク先ページ/ランディングページが商材を購入しやすい設計になっていなかったりすると、どんなキーワードでも購入されにくい可能性があります。
また、(1)にあるようにスマートフォンクリックが多いのにスマートフォンでものすごく使いづらいページになってしまっているケースもよく見られます。
「キーワードマッチ」で失敗している可能性も
先ほど述べたような原因がすべて該当せず、キーワードに問題があるとしか考えられないときでも、やはり「キーワード選定そのもの」は正しいという場合があります。
このときチェックすべきなのが、キーワードマッチのパターン。
特に注意したいのは「部分一致」のキーワードマッチを選択している場合です。
「部分一致」では、入札キーワードと関連性が強い関連語句で検索が行われた場合にも広告が表示されます。
たとえば「iPhoneケース」というキーワードで入札していたとき、「スマートフォン au」というキーワードでも自動的に表示されていたりすることがあります。
「iPhoneケース」というキーワードではそれなりによい結果が出ていたのに、「スマートフォン au」では無駄に予算を使うだけで効果が出ていなかった、といったことが起こるわけです。
実際にどの検索語句(検索クエリ)が配信されていたか検証をすることで、こうした無駄を防ぐことができます。
また、そもそも「完全一致」「フレーズ一致」「絞り込み部分一致」「部分一致」の特性を理解した上で設定できているのかという点も重要なポイントです。
まとめ
以上のことから、リスティング広告で効果が出ないからといって短絡的にキーワードを変えたり、入札を極端に下げたりすることはお勧めできません。
まずは効果が出ていない原因を検証し、その上でキーワード選定を考え直していきましょう。
執筆者情報
J-Grip Marketing編集部
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