CPA目標だけが大事なのか?
CPA目標とは何か?
Webマーケティングを行う際にチェックすべき数値はさまざまですが、当然多くの企業がCPA目標を重視しています。
CPAとは「Cost Per Action(またはCost Per Acquisition)」の略で、日本語でいうと「顧客獲得単価」。広告を打つときには「会員登録」や「資料請求」「商品購入」といった目標があるものですが、この目標の達成にかかる1件ごとの平均広告費をCPAといいます。もちろん、CPAは低いに越したことはありませんから、CPA目標を立てるのは広告運用上大切なことです。
しかし実は、CPA目標だけを見ていると実質的な広告費の管理・運用に失敗する可能性があるのをご存じでしょうか?
今日はその理由について説明したいと思います。
CPA目標だけを重視した場合の弊害
わかりやすい事例をいくつか挙げてみましょう。
たとえば、ECサイトを運営している企業が、1万円分の売上に必要となるCPA目標を3000円に設定していたとしましょう。この設定では単純な「売上」と「広告費」の関連づけはできますが、そもそも商品によって「粗利益率」は違いますよね。
粗利益率が50%の商品ならもっと高いCPA目標を設定しても良いかも知れないし、逆に粗利益率が10%しかない商品だとCPA目標を下げる必要があるかも知れない。
利益率を無視したCPA目標を設定してしまうと、広告が利益に直結しない可能性があり得るわけです。
また、不動産会社をはじめ、多くの企業が資料請求を増やすためにWeb広告を利用しています。
低い広告費でたくさんの資料請求を獲得することを目指し、CPA目標を設定するわけですが、これも本当に利益につながっているとは限りません。たとえば単価の安い検索キーワードでリスティング広告を打ち、たくさんの資料請求を獲得できたとしても、客の質が低くその後の商談に全く結びつかなかったとすれば、広告費の無駄使いですよね。それなら、多少単価の高いキーワードを使い、CPAの数値を高めてでも、質の高い顧客獲得を目指した方がいいでしょう。
その他、B to Bのビジネスでは、1件の受注で数百万円、1000万円以上の売上が動くケースも珍しくありません。
こうした単価の高いビジネスならCPA目標をかなり高めに設定しても、十分利益を上げることができる場合もあり得ます。
CPAの「最適化」を実現するために
これらの事例を見れば、CPA目標に固執することの危険さがおわかりいただけたかと思います。
大切なのは「利益につながるコンバージョン数を最大化する」こと。そのためには、毎月のCPA数値をチェックするだけではなく、CPAと利益の関連性を分析することが重要です。
リスティング広告一つとっても、どのキーワードがどれだけの利益を生み出したのかまで把握しなければ、本質的な広告効果は測定できません。こうした分析は手間もかかり、Webコンサルタントの中でもあえてそこまで突っ込んだ提案をしないところが多いようです。
J・Gripはそうしたきめこまやかな分析を得意としており、長期的にCPA目標の最適化を進めていくことをお勧めしています。興味がある方はお気軽にご相談くださいね。
執筆者情報
J-Grip Marketing編集部
Web集客・制作分野におけるブランディング・コンサルティング・マーケティングのプロフェッショナル。効果的でありながらWeb集客の本質に関する情報を、専門的にかつ分かりやすく紹介いたします。