紙のデザインとウェブのデザインの距離感

公開日:2016.06.03

各種デザインにはユーザーの距離感がある

世の中には、ウェブや雑誌、街中で見かける広告など、いろいろなデザインがあふれています。
それらのデザインを見ていて感じるのが、「距離感」というもので、各デザインには見る人・ユーザーの距離感というものがあると考えています。

そこで今回は、紙とウェブのデザインによる距離感の違いという視点から、それぞれどのようなアプローチ方法があるのかを見ていきたいと思います。

紙のデザインは媒体に応じて距離感に違いがある

紙のデザインについては展開している媒体に応じて距離感が違ってきます。

たとえば駅に貼られている広告、大きなポスターなどは、もうポスター自体が風景の中に溶け込んでいるので、どうやって見せるかという点が重要となってきます。

大きく分けていくと、インパクトのある写真やハッとするコピーといった強調されたものが、まず第一印象として見る側の視界にパッと飛び込むように入っているケースが多いです。
それらを見て気になった人が近付いてくるという、2段階の距離感みたいなものがポスターには存在すると思います。

制作側としては、一発目のインパクトに加え、近付いて見たら広告の内容がわかるといったような2段階での操作が可能となり、ちょっとした仕掛けを仕込むことができます。

また、雑誌などのデザインは、ユーザーが購入したあとに見るという可能性がすごく高く、そもそも興味があって、自分がほしいと思って買っているもの。
そうなると、視認性がある程度損なわれていたとしても、ユーザーは文章を目で追ってくれるのです。

つまり、写真の上に文字が乗っていたり、白っぽいの部分に白っぽい抜きの文字が乗っていても、ある程度ユーザーがイメージして読んでくれますし、実際に私もそうです。
そのため、雑誌のデザインでは視認性をそこまで意識しなくてもいいというか、かっこよさや雑誌の持つブランドみたいなものを押していくべきだと思っています。

ウェブデザインの距離感は抑揚が大切

ポスターや雑誌といった紙媒体とは違ってウェブというのは、いつもだいたい同じぐらいの距離感で見るものだと言うことができます。

たとえばPCであれば椅子などに座ってからのモニターまでの距離感、スマホや携帯電話なら手に持っての距離感など、個人差は多少あれども、どの人もおおむね同じぐらいの距離感で見るのでは。

このウェブでの見る意識はCMに近いイメージがあり、何も意識していないとまではいかなくても、なんとなく興味のあるもので検索はしていますが、雑誌のようにそこまで自分が見たいと思って見ているわけでもなく、なんとなく見ているという方が多い。
そこで目を留めるにはどうしたらいいのかということで、私はいつも考えてデザインをしています。

実際には強調するところとそうではないところに、抑揚を付けるということがポイント。

ある種、駅のポスターに近い方法ではありますが、ポスターのように近付かないと読めないという文字の抑揚の付け方はウェブには不向きです。
色で落としてみたり、文字の太さを変えてみるなど、そういった形でお客さまがユーザーにもっとも伝えたいところを出すということを注意してデザインすることが大事です。

文字の太さに関しては、お客さまが伝えたいことや意思などを打ち出したいときは、文章中に太字を使うことも有効です。
ただし、見出しだけを読んでもわかるような構成が基本となります。

また、PCなどの場合、一度にページの全体像を見せることは難しいので、デザインをするときはスクロールを意識することも必要です。
たとえばスクロールをしなくても出てくるファーストビューと言われる部分には、気になるコピーやページ下部に何か隠しておいて少しだけ見えるようにしておくといった、スクロールさせるような仕掛けを入れることは心がけています。

ウェブでも紙でもデザインをする際は、距離感を意識することが大切で、媒体の特性にマッチした距離感を実現することが、よりよりデザインを生み出す核とも言えますので、制作するときや発注する際などに参考にしてみてください。

執筆者情報

J-Grip Marketing編集部

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